比較財務諸表

企業分析
よみ:ひかくざいむしょひょう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「比較財務諸表」とは

比較財務諸表は、2つ以上の年度の決算書を横に並べ、各項目がいくら増えたか減ったか、何%変わったかを示した表です。会社の変化の方向と大きさをつかむ、財務分析の基本の道具です。

📌 投資判断のポイント

2つ以上の年度の決算書を並べ、項目ごとの増減額と増減率を示した表。変化の方向と大きさをつかむ基本の道具で、会計方針の変更や合併があると比較が難しくなる。

比較財務諸表はどういう仕組み?

作り方は単純で、前の年と今年の損益計算書や貸借対照表を並べ、項目ごとに増減額と増減率を計算します。売上が10%伸びたのに販売費が20%増えていれば、もうけの効率が落ちていると分かります。売掛金や在庫の増え方が売上の伸びより大きければ、代金の回収の遅れや売れ残りを疑うきっかけになります。日本の有価証券報告書の決算書も、前の年と今年の数字が並べて載っているので、そのまま比較財務諸表として読めます。

比較財務諸表の具体例と注意点は?

例えば、利益が前年より20万円増えた店があっても、比較財務諸表で原価の伸びが売上の伸びを上回っていれば、手放しでは喜べません。注意点は、比べる年度の条件がそろっているかです。会計方針の変更や会社の合併、決算期の変更があると、数字の増減が実態の変化を表さないことがあります。また、増減率だけを見ると、もとの金額が小さい項目の変化が大きく見えるので、金額と率の両方を確かめましょう。

比較財務諸表の読み方のコツ

比較財務諸表を読むときは、まず売上の伸び率を基準にするのが分かりやすい方法です。売上が10%伸びたなら、売上原価や販売費、売掛金、在庫も、おおむね10%前後の伸びにとどまっているかを見ます。売上より大きく伸びている項目があれば、そこに理由があるはずです。例えば在庫が30%増えていれば、売れ残りなのか、来期の大きな受注に備えた仕入れなのかを、経営者の説明で確かめます。また、2年分だけでなく5年分ほど並べると、一時的な変化と長く続く流れを見分けやすくなります。有価証券報告書の最初のほうには、主要な経営指標の5年分の推移が載っているので、手軽な入り口として使えます。なお、比較財務諸表の増減率は、基準の年の金額が小さいと極端な値になります。例えば利益が1億円から5億円に増えれば増加率は400%ですが、一時的な要因かもしれません。前の年が赤字の場合は増減率が意味をなさないので、金額の差で見るようにしましょう。比べるときは率と額、そして複数年の流れを組み合わせるのが基本です。

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