「共通報告基準(CRS)」とは
外国の金融機関を使った脱税や租税回避を防ぐため、各国の税務当局が非居住者の金融口座の情報を自動的に交換するための国際基準。経済協力開発機構(OECD)が公表し、日本を含む多くの国・地域が実施を約束している。CRSはCommon Reporting Standardの略である。
📌 投資判断のポイント
非居住者の金融口座の情報を、各国の税務当局が自動的に交換するための国際基準。日本の金融機関は毎年4月30日までに報告し、日本の居住者の海外口座の情報も国税庁に届く。
共通報告基準はどういう仕組み?
各国の金融機関は、自国に住んでいない人(非居住者)の口座について、氏名・住所・居住地国・口座残高・利子や配当の額などを自国の税務当局に報告する。税務当局は、その情報を租税条約などにもとづき、口座保有者が住む国の税務当局へ提供する。
日本では、2017年1月1日以後に金融機関で口座を開設する人などは、居住地国名などを記載した届出書を金融機関に提出する必要がある。国内の金融機関は、2018年以後、毎年4月30日までに特定の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告する。
逆に、日本の居住者が海外の金融機関に持つ口座の情報も、その国から日本の国税庁に届く。海外に資産を置けば税務当局に知られない、という状況は大きく変わった。
共通報告基準の具体例と注意点は?
日本に住む人が、海外の銀行や証券会社に口座を持ち、利子や配当を受け取っているとする。その国がCRSに参加していれば、口座残高や受取額が毎年日本の税務当局に送られる。日本の居住者は全世界の所得に課税されるため、申告していなければ把握される可能性が高い。
制度は改訂が続いている。OECDは2022年に報告事項を拡充する改訂を承認し、日本でも2024年度の税制改正で見直しが行われた。改正後の制度は2026年から施行され、2027年以後は改正後の制度で報告と交換が行われる(2026年10月時点の国税庁の案内)。
国外財産調書との違い
国外財産調書は、日本の居住者が年末に5,000万円を超える国外財産を持つ場合に、本人が税務署へ提出する書類である。情報の出し手は本人になる。
CRSは、金融機関が税務当局に報告し、当局どうしが交換する仕組みで、本人の申告とは別に情報が届く。両方の情報が突き合わされることで、申告漏れが見つかりやすくなっている。
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