「CHIPS法」とは
一言でいうと
米国内での半導体製造を支援するため2022年に成立した米国法。520億ドル超の補助金・税控除で外国の製造拠点誘致と中国への依存低下を目指す。
詳しい仕組み・意味
正式名称はCHIPS and Science Act。半導体製造補助金390億ドル・研究開発110億ドル・設備投資税控除25%が柱だ。補助金受給企業は中国での最先端半導体製造能力の拡大を10年間禁じられる「ガードレール条項」が設けられている。TSMC(アリゾナ)・インテル(オハイオ・アリゾナ)・サムスン(テキサス)・マイクロン(ニューヨーク)が主要受給企業だ。欧州・日本・インドも類似の半導体補助法を制定し、グローバルな製造分散が加速している。
具体例・注意点
補助金受給企業は5年間の役員報酬制限・利益超過分の返還義務・労働組合対応などの条件に同意する必要がある。建設・装置(ASML・東京エレクトロン・KLA・テラダイン)・素材(信越化学・SUMCO)・設計ツール企業が間接的な恩恵を受ける。補助金の実際の交付ペースと企業の投資スケジュールを追うことで、業績への影響時期を予測できる。
CHIPS法は先端半導体製造設備を米国内で建設するファブへの補助金(最大39%の税額控除)と、中国向け設備拡張を禁じるガードレール条項を組み合わせている。TSMCのアリゾナ・サムスンのテキサス・インテルのオハイオへの建設は同法が直接後押しした事例だ。半導体装置・材料・EDA(電子設計自動化)企業はCHIPS法の恩恵を受けるティア2投資機会として注目されている。
📌 投資判断のポイント
CHIPS法は半導体製造補助金の直接受給企業だけでなく、装置・材料・設計ツール企業にも恩恵が波及する。補助金交付スケジュールと各社の設備投資計画を照合し、業績への寄与時期を見通す視点が投資判断に役立つ。
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