「事業報告」とは
事業報告とは、株式会社が会社法に基づいて事業年度ごとに作る、会社の状況を文章で説明する書類です。貸借対照表や損益計算書などの計算書類と一緒に作ることが義務づけられています(会社法第435条第2項)。
📌 投資判断のポイント
株式会社が会社法に基づき計算書類と一緒に毎年作る、会社の現況・役員・株式の状況などを文章で説明する書類。株主総会では報告事項になる。
事業報告はどういう仕組み?
記載する内容は会社法施行規則で決まっており、会社の現況(事業の経過と成果、設備投資、資金調達、対処すべき課題など)、会社役員の氏名や報酬、株式の状況、内部統制の体制などが含まれます。数字で示す計算書類に対して、事業報告は会社の1年を言葉で説明する役割を持ちます。取締役会のある会社では、定時株主総会の招集通知に際して株主に提供されます。
事業報告の具体例と注意点は?
上場会社の招集通知を開くと、前半に事業報告、後半に計算書類と監査報告が並んでいるのが一般的です。事業報告には「対処すべき課題」として、会社自身が認識しているリスクや取り組みが書かれるため、決算の数字の背景を知るのに役立ちます。ただし有価証券報告書ほど詳しくはなく、要点のまとめと考えて読むのが現実的です。
計算書類との違い
計算書類(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)は、定時株主総会で原則として承認を受けます。これに対して事業報告は、総会で内容を報告すれば足り、承認の決議は要りません(会社法第438条第3項)。また、会計監査人の監査の対象は計算書類で、事業報告は監査役などが監査します。
株主が読むときのポイント
会社役員の報酬の総額、主要な借入先と借入額、従業員の数と前年からの増減、重要な親会社や子会社の状況などは、事業報告で手早く確認できます。前の年の事業報告と並べて読むと、課題として挙げられていたことがどう変わったかが分かり、経営の姿勢を知る手がかりになります。
よくある誤解
「事業報告は上場会社だけが作るもの」というのは誤解です。会社法の義務なので、株式会社であれば規模にかかわらず作ります。ただし公開会社でない会社では、役員の報酬など一部の記載を省けるなど、会社の形によって書く範囲が変わります。何をどこまで書くかは、会社法施行規則の第118条から第126条に会社の形ごとに定められています。
出典: e-Gov法令検索「会社法」
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