「属人的株式」とは
株式そのものではなく株主ごとに、議決権や配当の扱いを変える定めを置いた株式です。
📌 投資判断のポイント
公開会社でない会社が、配当や議決権の扱いを株主ごとに変えられるよう定款で定めた株式。種類株式と違って登記されず譲渡しても引き継がれないため、事業承継で議決権だけ残す設計に使われる
詳しい仕組み・意味
会社法は、公開会社でない株式会社に限り、剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会での議決権について、株主ごとに異なる取扱いを定款で定めることを認めています。この定めに基づく株式が属人的株式です。種類株式が株式の内容として権利を作り分け、登記されて誰が持っても同じ性質を保つのに対し、属人的株式は特定の人に着目した定めであるため、その人が株式を譲渡すれば効力は引き継がれません。定款で定めるには、原則として総株主の半数以上であって総株主の議決権の4分の3以上の賛成という、厳しい要件を満たす必要があります。定款を変えれば廃止することもできます。
具体例・注意点
代表的な使い方は事業承継です。先代が持株の大半を後継者へ贈与しつつ、自分の残った1株について議決権を多く与える定めを置けば、株式の価値は移しながら当面の経営権を保てます。登記されないため外部からは見えにくく、金融機関や取引先が実際の支配関係を把握しづらい面があります。少数株主の権利を大きく損なう内容は、株主平等原則に反するとして無効と判断された裁判例もあり、目的と程度の合理性が問われます。相続が起きたときに定めが効力を失う点も、設計時に想定しておく必要があります。導入前に専門家と詰めることが前提の仕組みです。
関連用語
自社株式を対価に相手会社を子会社にする会社法上の制度。令和3年3月1日に施行され、完全子会社化を前提とする株式交換と違い議決権の過半数を握る範囲で使えるため、現金を使わない買収の選択肢になる
自己株式は企業が保有する自社株。消却されるとEPS改善につながりやすい。
上場企業向けの企業統治指針で、コンプライ・オア・エクスプレインが特徴。資本効率や株主還元を意識した経営を後押しする。形式的な順守表明にとどまる企業もあり、社外取締役比率や実際の資本政策など中身を確かめたい。
企業が株式を市場外で一定価格で買い集める手法。買収や再編に使われ、株価に大きな影響を与える。
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