中古太陽光発電という「節税の選択肢」 高年収層ほど効く “減価償却 × 損益通算” の仕組みを、専門家への取材から解説します
累進課税のもとでは、年収が上がるほど税負担は重くなります。所得向上委員会では先日、ゼミ生のみなさん向けに、 中古の太陽光発電所の仲介を手がける企業の社長へ取材し、太陽光発電を使った節税の仕組みをじっくり伺いました。 本記事は、その内容をもとに、仕組み・効果だけでなく、見落とせないリスクと税務上の注意点まで、できるだけフラットに整理したものです。
01 ── 節税の正体減価償却で「事業の赤字」をつくり、給与所得と相殺する
社長の説明を一言でいえば、太陽光の節税とは減価償却で意図的に事業の赤字をつくり、それを給与所得と合算(損益通算)して課税所得を圧縮するという仕組みです。 給与の額そのものは変わりません。しかし、発電事業で計上した赤字が給与所得と相殺されることで、所得税・住民税のかかる「課税所得」が小さくなります。
02 ── なぜ「中古」なのか耐用年数が短く、前半に大きく償却できる
太陽光発電設備(機械及び装置)の法定耐用年数は17年です。中古を取得すると、経過年数に応じて耐用年数を短く見積もれるため、同じ設備でも1年あたりの減価償却費が大きくなります。 取材の例では、17年から経過分を差し引いておよそ9年で償却する形。さらに定率法を用いれば保有初期に償却費が集中するため、最初の5年ほどで厚い赤字をつくりやすい、という説明でした。 新築より初期費用を抑えつつ、節税の「効き」を前倒しできる点が、中古が選ばれる理由です。
03 ── もうひとつの効果設備購入で払った消費税が「還付」される
事業として設備を取得すると、購入時に支払った消費税が戻ってきます。設備購入時にまとめて払う消費税に対し、初年度の売電で受け取る消費税はわずか。その差額が、申告によって還付されます。
消費税の還付を受けるには、課税事業者を選択する届出などの手続きが必要です。取材では、一定期間の経過後に免税事業者へ切り替え、売却時に消費税がかからないよう設計するのが定石、という話にも触れられていました。 インボイス制度下での取り扱いも含め、手続きは税理士に相談のうえ進めるのが前提です。
04 ── どれくらい差が出るか年収が高い人ほど、戻りが大きい
取材で示された年収別の試算がいちばん分かりやすいので紹介します。5年間の手取り合計を「何もしない場合」と「発電所を運営した場合」で並べたものです。
年収1,700万円の方で約1,000万円、2,500万円の方では約1,600万円。累進課税ゆえに税率の高い高年収層ほど、同じ発電所でも戻りが大きくなる傾向があります――これが「高年収層向け」と言われる理由です。 裏を返せば、税率の低い方には効果が限定的で、向き・不向きがはっきり分かれる仕組みでもあります。
05 ── 出口5年後の売却でも、税の扱いに特徴がある
設備(動産)を取得から5年を超えて売却した場合、長期譲渡所得として扱われ、譲渡益がおおむね半分だけ課税対象になる、という点も取材で説明されました。 保有中の節税効果に加え、出口でも税負担が軽くなり得るのが特徴です。ただし売却価格は市況や設備状態に左右され、想定どおりに売れる保証はありません。
06 ── 見落とせないリスクメリットと表裏一体の「注意点」
良い面だけを見て判断しないために、取材で社長がフラットに語っていたリスクも同じ熱量で整理します。多くは保険や設計で軽減できますが、ゼロにはできません。
07 ── 最重要「損益通算できるか」は、所得区分で決まる
ここは記事のなかでもっとも大切な注意点です。太陽光の売電による所得は、雑所得・事業所得・不動産所得のいずれかに区分されます。そして給与所得と損益通算して税負担を圧縮できるのは、原則として「事業所得(または不動産所得)」に区分される場合に限られます。 事業所得と雑所得の線引きについては、「副業を『事業所得』にできる条件|雑所得との違いと節税メリット」もあわせてご覧ください。
国税庁は、給与所得者の売電を原則として「雑所得」と整理しています。一方で、フェンスの設置や除草・除雪といった管理の実態があるケースや、50kWを超える規模などでは事業所得として扱われ得るとされ、判定は容易ではありません。 管轄の税務署によって判断が分かれることもあります。つまり「必ず損益通算できる」とは言い切れず、事業性を備えた運用の設計と、実行前の税理士・税務署への確認が欠かせません。
あなたの年収なら、どのくらい効果が出るのか
効果は年収や他の所得の状況によって大きく変わります。所得向上委員会が提携する中古太陽光発電所の仲介を手がけるパートナー企業が、あなたのケースに合わせた個別のシミュレーションと相談に無料で対応します。
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