質問検査権

制度・取引
よみ:しつもんけんさけん
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛 編集方針
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「質問検査権」とは

税務調査のときに、調査担当者が納税者へ質問したり帳簿書類の提示を求めたりできる法律上の権限のことです。

📌 投資判断のポイント

税務調査で調査担当者が質問し帳簿書類の提示を求められる法律上の権限。任意調査だが、正当な理由なく拒んだ場合は50万円以下の罰金などの罰則がありうる。

質問検査権はどういう仕組み?

根拠は国税通則法第74条の2以下にあります。もともと運用として行われていた取扱いが、平成23年12月の改正で法令上明確にされました。この改正では、調査に先立って原則として事前通知を行うこと、調査終了時の手続を整えること、帳簿書類その他の物件の提示・提出を求められることが条文に書き込まれています。あわせて、納税者が減額を求める更正の請求の期間が原則1年から5年に延び、課税庁による増額更正の期間も3年から5年に延びました。権限が明確になると同時に、納税者の側の手続も整えられたのが、この改正の性格です。

質問検査権の具体例と注意点は?

事前通知では、調査の日時・場所、対象となる税目と課税期間、調査の目的などが知らされます。日程の都合がつかないときは変更を申し出ることができます。税理士に税務代理を依頼している場合は、税理士にも同じ通知が届きます。ただし、事前通知をすることで適正な記帳や書類の保存を装う状態が作り出されると合理的に推認される場合など、一定のときは事前通知を行わないことがあるとされています。また、税務署に来てもらって申告内容を確認するような実地以外の調査では、法令上は事前通知が求められていませんが、運用として連絡の際に税目・課税期間・目的が説明されます。調査で帳簿書類などを預かる留置きの手続も法令に定められており、預かるときは預り証が交付されます。行政指導として書類の見直しを求められる場合との違いは、担当者が手続に入る前に明示することとされています。

出典: 国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」

任意調査と強制調査の違い

質問検査権にもとづく調査は、あくまで任意調査です。裁判官の令状にもとづいて行われる査察(強制調査)とは別のものです。ただし正当な理由なく帳簿書類等の提示・提出を拒んだり、虚偽の記載をしたものを出したりした場合には、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という罰則が科されることがあります。国税庁は、罰則があることをもって強権的に権限を行使する考えはないとしています。

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