「選定療養」とは
患者が自分の希望で上乗せのサービスを選んだときに、基礎的な部分だけを健康保険でまかない、上乗せ分を自己負担する仕組みのこと。
📌 投資判断のポイント
差額ベッドや紹介状なしの大病院受診のように、患者が自分で選んだ上乗せ分を自己負担する仕組み。この自己負担は高額療養費の上限額の計算に含まれない。
選定療養はどういう仕組み?
日本の公的医療保険は、保険が使える診療と使えない診療を同時に受ける混合診療を原則として認めていない。その例外が保険外併用療養費の仕組みで、評価療養、患者申出療養、選定療養の三つに分かれる。このうち選定療養は、将来の保険適用を前提としない「患者の選択によるサービス」を対象とし、入院基本料などの基礎的部分は保険外併用療養費として給付される一方、上乗せ部分の料金は医療機関が患者から徴収できる。厚生労働省の整理では選定療養として現在15類型が定められており、特別の療養環境、いわゆる差額ベッドがその代表例である。料金を徴収する際は掲示などの要件を満たすことが義務づけられている。
選定療養の具体例と注意点は?
紹介状を持たずに大病院を受診したときの定額負担も選定療養にあたり、医科では初診で7,000円以上、再診で3,000円以上を医療機関が徴収する。差額ベッド料も、患者が同意書に署名して個室などを希望した場合に発生する。逆に、治療上の必要があって個室に入った場合や、病棟の都合で個室しか空いていなかった場合は、患者に特別の料金を求めてはならないとされている。同意していないのに請求されたときは、その根拠を確認してよい。
評価療養との違い
評価療養は先進医療のように「将来保険に入れるべきか評価する段階」のものを指し、選定療養は保険適用を目指さない快適性や利便性の選択を指す。高額療養費制度の対象になるのは保険が使われた部分だけなので、差額ベッド代や紹介状なしの定額負担は上限額の計算に含まれない。ここを取り違えると、入院費の見積もりが実際と大きくずれる。
なお、選定療養の類型は中央社会保険医療協議会の議論を経て追加されることがあり、2024年10月には長期収載品、いわゆる後発医薬品のある先発医薬品を希望した場合の選定療養が導入された。制度は固定ではないため、入院や手術の前には最新の取り扱いを医療機関に確認したい。
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