「シナリオ分析」とは
将来起こりうる複数の状況をあらかじめ想定し、それぞれで資産や家計がどうなるかを見積もる手法です。ひとつの見通しに頼らないための作業です。
📌 投資判断のポイント
複数の将来の筋書きを数値で置き、それぞれで資産や家計がどうなるかを並べて確かめる手法。どの前提が結果に効くかが見える一方、想定の外は評価できず起こりやすさも示せない。
詳しい仕組み・意味
手順は3つです。第一に、結果を左右する要因を選びます。株価、金利、為替、物価、収入の増減などです。第二に、それぞれについて楽観・標準・悲観といった複数の筋書きを具体的な数値で置きます。第三に、各筋書きのもとで資産額や必要資金がどう変わるかを計算します。
過去の統計から確率を推定する手法と違い、統計に十分な事例がない事態も扱える点が特徴です。想定を数値で置くため、どの前提が結果に効いているかが見えるようになります。
具体例・注意点
退職後の資金計画は代表的な使いどころです。運用利回りを年1パーセント、3パーセント、5パーセントと置き、物価上昇率も複数用意して、何歳まで資産が持つかを並べます。差が大きい要因が分かれば、そこに手を打つ優先順位がつきます。
注意点は、想定した範囲の外は評価できないことです。悲観シナリオが甘ければ結論も甘くなります。また、確率を伴わないため「起こりやすさ」は示せません。あくまで前提と結果の対応を確かめる道具として使い、結論を1本の数字に丸めないでください。
関連用語
ストレステストは厳しい市場環境を仮定して耐久力を確認する手法。VaRでは見えにくい危機時リスクを補う。
経済的な体力と心理的な耐性の低いほうが実際のリスク許容度になる。許容度を超えたリスクを取ると暴落時に狼狽売りして回復を逃す。初心者は強気相場での自己申告が崩れやすいため、控えめに始めて実際の暴落で耐性を確かめるとよい。
資産から毎年引き出す割合。年4%が持続可能性の目安とされるが、日本の環境や退職直後の暴落には当てはまらないこともある。取り崩し局面でも一定の株式を保有し、相場が悪い年は引き出しを控えるなど柔軟に調整することが現実的。
価格の変動幅を示す投資リスクの基本指標。「下方向への動き」だけでなく上下両方の振れ幅を測り、年率標準偏差で算出する。VIX(先行予測)とヒストリカルボラティリティ(実績値)の違いも押さえる。
下方リスクは損失方向のブレに注目する考え方。資産形成では平均リターン以上に重要になる。
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