「法定準備率」とは
金融機関が受け入れた預金などのうち、一定割合以上を日本銀行に預け入れることを義務づける、その割合のことです。
📌 投資判断のポイント
預金などの残高のうち日本銀行に預け入れるべき割合。定期性預金の最上位区分で1.2%など、1991年10月16日以降変更がなく、現在は政策手段としては使われていない。
法定準備率はどういう仕組み?
準備預金制度にもとづく仕組みで、対象となる金融機関は、預金などの残高に準備率を掛けた金額以上を日本銀行の当座預金に置かなければなりません。率は預金の種類と残高の区分ごとに決められています。たとえば定期性預金では、指定勘定区分額が2兆5,000億円を超える部分について1.2%、5,000億円超1兆2,000億円以下の部分では0.05%です。その他の預金では最上位の区分が1.3%となっています。これらの率は1991年10月16日に改定されて以降、変更されていません。かつては率を上下させること自体が金融政策の手段でしたが、短期金融市場が発達した現在の日本では、政策手段としては使われていません。
法定準備率の具体例と注意点は?
準備率そのものが動かないため、ニュースで話題になることはほとんどありません。ただし所要準備の額は日々の資金需給の計算の出発点になるため、短期金融市場の動きを追うときには押さえておく必要があります。準備の義務は1日ごとではなく、毎月16日から翌月15日までを1つの期間として、その平均で満たせばよい仕組みになっています。このため金融機関は期間の前半と後半で日銀当座預金の残高を調整でき、その調整の動きが短期金利に影響します。準備率が掛かるのは預金だけでなく、金融機関が発行する債券や金銭信託の元本、外貨建ての一部の債務にも及びます。区分ごとに率が違うのは、資金の性質によって流出しやすさが異なるという考え方にもとづくものです。海外では準備率の引き上げ・引き下げをいまも政策手段として使う国があり、日本の運用がむしろ例外的だという点も押さえておくとよいでしょう。
超過準備との違い
法定準備率から計算される所要準備を超えて日本銀行に置かれている当座預金が超過準備です。量的緩和のもとでは超過準備が所要準備を大きく上回る状態が続き、金融政策の焦点は準備率ではなく、超過準備に付される金利の側に移りました。義務としての準備と、政策の結果としてあふれた準備を分けて見る必要があります。
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