「回収率」とは
債券がデフォルトした後に投資家が元本のうちどれだけ回収できるかの割合。クレジット分析の重要指標で、期待損失の計算に直接使われる。
📌 投資判断のポイント
回収率はデフォルト損失の大きさを決める重要変数。担保付きシニア債は回収率が高く、劣後債は低い。投資対象の資本構造での優先順位と担保の質を事前に確認し、期待損失率との比較でスプレッドが十分かどうかを判断する習慣が有効だ。
📐 計算式・数値の目安
期待損失 = デフォルト確率 × 1 - 回収率
詳しい仕組み・意味
回収率は資本構造における担保権・優先順位によって大きく異なる。シニアセキュアード(担保付き優先)で60〜80%、シニアアンセキュアード(無担保優先)で40〜50%、劣後債で10〜30%が歴史的な平均的水準とされる。回収率は業種・景気局面・資産の種類・国の法制度(倒産法)に大きく依存する。期待損失率(EL)=デフォルト確率(PD)×(1−回収率)で計算され、クレジットスプレッドの算定基礎となる。
具体例・注意点
景気後退期には回収率も低下する傾向があり、デフォルト増加と回収率低下が同時進行する「ダブルパンチ」が生じる。CLOや社債への投資では担保の有無・担保の質・倒産法での優先順位を事前に確認することが最大の防御策だ。プライベートクレジット投資では、担保付きローンを選択することで回収率が相対的に高く保たれやすい点も重要な選択基準だ。
担保の有無と優先順位(シニア担保付→シニア無担保→劣後債)がリカバリーレートを最も大きく左右する。歴史的に見るとシニア担保付債のリカバリーレートは平均60〜70%程度だが、業種・景気環境・清算対象資産の種類で大きく変動する。クレジット投資においてデフォルト確率だけでなくリカバリーレートを考慮した期待損失(EL)の試算が信用リスク管理の基本とされる。
関連用語
デフォルトリスクはクレジット投資の根幹。格付けとスプレッドだけでなく、レバレッジ比率・インタレストカバレッジ・業界動向を組み合わせて評価し、期待損失率とスプレッドを比較する習慣が実践的な信用分析の基本だ。
レバレッジドローンは変動金利で利上げ局面に有利だが、低格付け借り手の信用リスクが内在する。景気後退局面のデフォルト率上昇に備え、CLO投資では組み入れローンのクレジット品質分布を確認することが実践的なリスク管理の要点だ。
プライベートクレジットは高利回り・非流動性プレミアムを得られる一方で流動性・透明性に制約がある。景気後退時のデフォルトリスクと時価評価の遅延リスクを理解したうえで、ポートフォリオの非流動部分として位置付けることが適切だ。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。