「一株当たりネットキャッシュ」とは
一言でいうと
一株当たりネットキャッシュは「(現金及び同等物 − 有利子負債)÷ 発行済株式数」で計算され、株主一人が株式を保有することで間接的に持つ「純現金」の金額を示す。財務余力と株価に含まれる安全余裕を測る指標だ。
詳しい仕組み・意味
現金リッチな企業は株価が下落しても財務破綻リスクが極めて低く、自社株買い・M&A・配当増額の原資を持つ「攻めの余力」を備えている。日本の伝統的大型株では一株当たりネットキャッシュが株価の20〜40%に達する銘柄も多く、「株価の中にどれだけ現金が含まれているか」という観点で割安度を測る。バリュー投資・グレアム流の「Net-Net株式」分析(時価総額が正味流動資産を下回る銘柄)の現代版にもあたる。
具体例・注意点
ネットキャッシュが多くても、それが「死に金」として留保され続けて株主還元に回らなければバリュエーション上の評価は限定的だ。アクティビストファンドはまさにこの点を突き、現金リッチな銘柄に対して増配・自社株買い・特別配当を要求するキャンペーンを展開する。一株当たりネットキャッシュ÷株価が30%超の銘柄を「現金充足度の高いバリュー候補」とスクリーニングする手法が一般的だ。
📐 計算式・数値の目安
一株当たりネットキャッシュ = (現金及び同等物 − 有利子負債)÷ 発行済株式数
💡 あわせて学ぼう
この用語を押さえたら まず押さえたい最重要語一覧 で投資の軸となる概念も確認しましょう。
🏷 関連タグ
関連用語
企業が自由に使える「本当に残った現金」。 free-cash-flow(FCF)とは、企業が本業で稼いだ現金から、設備投資など必要な支出を差し引いた後に残る現金のことを指す。 イメージとしては「生活費を引いた後に残る自由…
企業全体を買うときの「実質的な値段」。 enterprise-value(EV)は、企業の実質的な買収価格を示す指標である。 単純な株価の合計であるmarket-capitalization(時価総額)は、株主の持ち分だ…
企業や株価が「高いか安いか」を判断する考え方。 valuationとは、企業や株価の価値を評価するための考え方や手法の総称である。 単一の指標ではなく、複数の視点を組み合わせて「適正な価格」を判断する枠組みである。 代表…
株主還元利回りは配当利回りに自社株買い利回り(場合により有利子負債削減も)を加えた「総合的な株主への返し方」を示す指標。配当だけでは見えない還元姿勢を一本化して評価できる。 米国企業の多くは増配よりも自社株買いを優先する…
自社株買い利回りは年間の自社株買い総額を時価総額で割った指標で、企業が「市場から自社の株式をいくら買い戻したか」を利回り換算で示す。配当利回りと並ぶ株主還元の柱を測る。 自社株買いは流通株式数を減らすことでEPSを引き上…
広告