「株式無償割当て」とは
会社が株主に、払込みをさせずに新たな株式を持ち株数に応じて割り当てることです。株式分割と経済的な効果はほぼ同じです。
📌 投資判断のポイント
払込みなしに、持ち株数に応じて新たな株式を割り当てること。株式分割と効果はほぼ同じだが、別の種類の株式を割り当てられ、自己株式を割当てに使える点が違う。株主の価値は増えない。
株式無償割当てはどういう仕組み?
会社法第185条が定める制度で、割り当てる株式の数や効力を生じる日は、取締役会設置会社なら原則として取締役会で決めます。株主は効力を生じる日に新たな株式の株主になり、会社は割り当てた株式の数を遅滞なく株主に通知します。
株式分割との違いは主に2つです。株式無償割当てでは、持っている株式とは別の種類の株式を割り当てられます。たとえば普通株式の株主に優先株式を割り当てることができます。また会社が持つ自己株式を割当てに使える一方、自己株式そのものには割り当てられません。株式分割では、自己株式も含めてすべての株式が分割されます。
似た名前の新株予約権無償割当ては、株式ではなく新株予約権を割り当てるもので、ライツ・オファリングに使われます。こちらは権利を行使するときに払込みが必要で、別の制度です。
株式無償割当ての具体例と注意点は?
1株につき1株を割り当てると、100株を持つ株主は200株になります。会社の価値は変わらないため、理屈の上では株価はおおむね半分になり、割当て前に2,000円だった株価は1,000円程度になります。持ち株の時価の合計は変わらず、得をする仕組みではない点に注意が必要です。
1株当たりの配当を据え置けば、実質的な増配になります。株主優待の基準株数が変わらない場合も、同じ100株で優待を受けやすくなります。こうした付随の変更が株価に影響することはあります。
端数と権利の取り方
割り当てる株数に1株に満たない端数が生じた場合、会社法第234条により、端数の合計に当たる株式を売却し、その代金を端数に応じて株主に交付します。
割当てを受けるには基準日に株主名簿に載っている必要があります。受け渡しは約定日の2営業日後なので、基準日の2営業日前にあたる権利付き最終売買日までに買っておく必要があります。
株式無償割当ては、敵対的な買収への防衛策の一部として使われることもあります。また上場会社が、売買の単位当たりの金額を下げて個人投資家が買いやすくする目的で、株式分割の代わりに使う例もあります。
割当ての効力が生じた後、新たな株式が売買できるようになるまで数日かかることがあります。
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