フォールン・エンジェル

債券
よみ:ふぉーるんえんじぇる
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 金利・為替・債券を理解する ★★ 標準

「フォールン・エンジェル」とは

もともと投資適格の格付けを持っていた社債、またはその発行企業が、格下げによって投機的格付け(ハイイールド)の区分に落ちたものです。「堕天使」を意味する英語から来た呼び名で、最初から投機的格付けで発行された債券とは区別されます。

📌 投資判断のポイント

投資適格の格付けを持っていた社債やその発行体が、格下げによって投機的格付けに落ちたもの。投資適格債しか持てない投資家の売りが集中し、価格が実態以上に下がることがある。

フォールン・エンジェルはどういう仕組み?

格付け会社の区分では、S&PやフィッチのBBB-、ムーディーズのBaa3以上が投資適格で、BB+やBa1以下が投機的格付けです。格付けは最上位のAAAから数えて10段階目がBBB-で、11段階目のBB+に落ちるとフォールン・エンジェルになります。米国の社債市場では、格下げ直後の数か月に価格の下落が集中しやすいとされています。この境目をまたぐ1段階の格下げは、ほかの1段階の格下げより影響が大きくなります。年金基金や保険会社、投資適格債だけを対象とする投資信託などは、運用ルールで投機的格付けの債券を持てないことが多く、格下げされると売らざるを得なくなるためです。

売り手が一度に集中する一方、買い手はハイイールド債を扱う投資家に限られます。そのため、発行企業の信用力の悪化以上に価格が下がり、格下げ直後の利回りが実態に比べて高くなることがあります。この「行き過ぎ」が落ち着くと価格が戻ることもあり、フォールン・エンジェルだけを集めた指数や投資信託もあります。

フォールン・エンジェルの具体例と注意点は?

格下げの前から格付け会社の見通しが「ネガティブ」に変わる、利回りが同じ格付けの社債より高くなるといった兆候が出ることが多く、市場は格下げを先に織り込み始めます。ただし、格下げの理由が一時的な業績悪化なのか、事業そのものの衰えなのかで、その後の回復の見込みは大きく違います。たとえば額面100円の社債が格下げで90円まで10%下がった場合、償還まで持てば10円の上乗せになりますが、それは発行企業が償還まで元本を払い続けられることが前提です。価格が下がったことだけを理由に買うと、さらに格下げが続いたり、デフォルトに至ったりするリスクを抱えます。個人がこの種の債券に投資する場合は、個別の社債より、多くの銘柄に分散したファンドを通じるのが一般的です。1社の格下げやデフォルトの影響を小さくできるためで、それでも値動きは投資適格債より大きくなる点は理解しておく必要があります。

ライジング・スターとの違い

逆に、投機的格付けから投資適格へ格上げされた債券はライジング・スターと呼ばれます。こちらは投資適格債を対象とする投資家が新たに買えるようになるため、買いが入りやすくなります。境目をどちらにまたぐかで、需給の向きが反対になる点が2つの言葉の違いです。

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