「EV/Sales倍率」とは
一言でいうと
EV/Sales倍率は企業価値(EV)を年間売上高で割った指標。PSRが株式時価総額ベースなのに対し、EV/Salesは有利子負債と現金も加味するため、資本構成が異なる企業同士の比較に向く。
詳しい仕組み・意味
EV(Enterprise Value)は「時価総額 + 有利子負債 − 現金及び同等物」で計算される、企業全体を買収する時に必要な値段だ。借金が多い企業はPSRでは安く見えるがEVベースでは割高、現金リッチな企業はPSRでは割高に見えてもEVベースでは割安、という逆転が起きる。EV/SalesはSaaS・ヘルスケア・ハイテクなど利益が安定しない業種のM&A・上場時バリュエーション基準として広く使われ、グロースSaaSでは10〜30倍、成熟製造業では1〜3倍が目安となる。
具体例・注意点
EV/SalesはPSRより精緻だが、企業の「価値」を売上だけで測る限界はPSRと同じだ。同じ売上1億円でも粗利率80%のSaaSと粗利率20%の小売では意味が違う。EV/EBITDA・EV/FCFと組み合わせ、売上の質(粗利率・継続率・解約率)を別途確認することが実務的な使い方になる。M&Aプレミアム分析や上場前後の比較にも頻出する指標だ。
📐 計算式・数値の目安
EV/Sales = (時価総額 + 有利子負債 − 現金等)÷ 年間売上高
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