広告宣伝費率

企業分析
よみ:こうこくせんでんひりつ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「広告宣伝費率」とは

売上高に対する広告宣伝費の割合を示す指標です。広告宣伝費を売上高で割って求め、企業が売上を得るためにどれだけ広告に頼っているか、宣伝への投資の大きさを表します。

📌 投資判断のポイント

広告宣伝費を売上高で割った割合で、売上を得るためにどれだけ広告に頼っているかを示す。化粧品や通販で高く素材メーカーで低いなど業種差が大きく、急な低下は将来の売上への影響に注意。

広告宣伝費率はどういう仕組み?

広告宣伝費は販売費及び一般管理費の一部です。上場企業では、有価証券報告書の損益計算書の注記に、販売費及び一般管理費のうち主要な費目として金額が開示されることが多く、そこから比率を計算できます。

広告宣伝費率は業種や事業の段階によって大きく異なります。化粧品や健康食品、通信販売など、商品の認知度が売上に直結する業種では高くなりやすく、企業間の取引が中心の素材や部品のメーカーでは低くなります。新しい事業を立ち上げて顧客を集めている段階の企業も、一時的に比率が高くなります。

広告宣伝費率の具体例と注意点は?

売上高200億円の会社が広告宣伝費に16億円を使っていれば、広告宣伝費率は8%です。翌年に広告を20億円に増やして売上高が250億円になれば比率は8%のまま、売上が210億円にとどまれば約9.5%に上がり、広告の効果が薄れてきた可能性を示します。

広告宣伝費は削りやすい費用なので、業績が苦しいときに大きく減らすと、利益率が一時的に良く見えることがあります。比率が急に下がった年は、将来の売上に影響しないかを確かめる必要があります。また、販売促進費やポイント還元を広告宣伝費と別に計上する会社もあるため、他社と比べるときは費目の範囲をそろえます。

ROAS(広告費用対効果)との違い

ROASは、個別の広告に使った金額に対して、その広告から生まれた売上が何倍あるかを測る指標で、主に社内のマーケティングで使います。広告宣伝費率は、会社全体の売上に対する広告費の割合で、決算書から外部の投資家でも計算できます。前者は広告ごとの効果、後者は事業全体の広告への依存度を見るものです。

広告宣伝費率を見るときは、売上高の伸び率や新規顧客の数と並べると判断しやすくなります。比率が高くても売上が順調に伸びていれば、将来の売上への先行投資と読めます。反対に、比率が上がり続けているのに売上が伸びない場合は、広告で顧客を買っている状態に陥っている可能性があり、利益率の低下につながりやすくなります。

数年分の推移を並べて見ることが、判断の基本になります。

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