簡易課税制度

制度・取引
よみ:かんいかぜいせいど
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「簡易課税制度」とは

売上の金額だけから消費税の納税額を計算できる、中小事業者向けの簡便な計算方法。

📌 投資判断のポイント

経理の手間が減るという理由だけで選ぶと、設備投資をした年に還付を取り逃す。仕入や外注が少ない業種ほど有利になりやすく、大きな投資を控えているなら原則課税が有利になりうる。2年間は戻せないため、届出の前に翌々期までの見通しで比べたい。

詳しい仕組み・意味

消費税の納税額は本来「受け取った消費税から支払った消費税を引く」形で計算する(原則課税)。簡易課税制度を選ぶと、支払った側の集計を省き、売上にかかる消費税に業種ごとの「みなし仕入率」を掛けた金額を仕入控除とみなして納税額を出せる。みなし仕入率は卸売業90%、小売業80%、製造業70%、サービス業50%などの区分に分かれている。適用できるのは基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者で、適用を受けたい課税期間が始まる前までに届出が必要になる。いったん選ぶと原則2年間は原則課税へ戻せない。

具体例・注意点

サービス業でみなし仕入率50%、売上にかかる消費税が100万円なら、実際の仕入がいくらであっても納税額は50万円になる。仕入や外注の少ない業種ほど有利になりやすい一方、大きな設備投資をした年は実額で計算した控除のほうが大きく、原則課税なら還付を受けられたはずの場面で不利になることがある。インボイス制度で仕入税額控除の要件が厳しくなった後も、簡易課税を選んでいれば取引先の登録番号を集計する手間は生じない。有利不利は年ごとに入れ替わるため、投資を予定している時期には事前の試算が欠かせない。

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