「フィリップス曲線」とは
一言でいうと
失業率が低下すると賃金・物価が上昇しやすいという経験則的な関係。中央銀行の金融政策決定に広く使われるが、近年はその関係が平坦化しており解釈が難しくなっている。
詳しい仕組み・意味
1958年に経済学者フィリップスが英国データで発見した逆相関関係。失業率低下→需要拡大・賃金圧力→インフレ上昇というメカニズムだ。FRBはこの関係を基に「完全雇用(インフレ加速なしの最大雇用水準)」を政策目標に置く。ただし2010年代の超低失業率期にインフレが加速しなかった「フラット化」が観察され、伝統的なモデルの予測力が低下していることが問題となっている。グローバル化・技術革新・労働市場構造変化が要因とされる。
具体例・注意点
FRBのFOMC声明や議長会見でフィリップス曲線の傾きに言及があるときは、利上げ・利下げ判断の手がかりになる。失業率が低くてもインフレが落ち着いている局面では「予防的利上げの必要なし」とFRBが判断しやすい。この関係への言及が増える局面は金融政策の方向性が変わるシグナルとして株・債券市場を動かしやすい。
フィリップス曲線の関係は1990年代以降、先進国で大幅に平坦化しており、低失業率でもインフレが加速しない期間が長続きするようになった。しかし2021〜22年のパンデミック後の急激な物価上昇と労働市場逼迫はフィリップス曲線の復活を示唆する議論を呼んでいる。中央銀行は金融政策決定においてフィリップス曲線モデルを参照するが、現代では期待インフレ・サプライチェーン要因・構造的労働市場変化を組み合わせた複合的分析を用いる。
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