「ブロッキング規則」とは
外国(主に米国)の域外制裁への服従を禁じ、その法律に従った企業に制裁を科す対抗立法。EUの対抗措置として生まれ、中国も類似の制度を整備している。
📌 投資判断のポイント
ブロッキング法は米国制裁への対抗措置。多国展開する企業は米国制裁と現地対抗法制の双方への対応を同時に求められる二重拘束リスクを法務・コンプライアンス部門で管理すること。
詳しい仕組み・意味
EU「ブロッキング規則(Reg.2271/96)」は、米国のイラン・キューバ制裁への服従をEU企業に禁じ、制裁に従ったことで生じた損害の回復訴訟権も付与する。中国の「信頼できないエンティティリスト」や「外国法律・措置の不当な域外適用阻断弁法(2021年)」も同様の趣旨だ。制裁に従えば本国法に違反し、制裁に従わなければ米国の制裁を受けるという二重拘束に企業は晒される。
具体例・注意点
EUブロッキング規則は実務上ほとんど機能してこなかったが、ロシア制裁後に再注目されている。日本企業も欧米の対ロシア制裁とアジア各国の対抗規制の間で板挟みになるリスクがあり、法務部門が各国規制の優先順位マップを保有することが重要だ。
実務的には、米国制裁への服従を理由に契約解除を行った場合に相手方からブロッキング法に基づく損害賠償訴訟を起こされるリスクがある。多国間でビジネスを展開する日本企業は、制裁の優先適用国・代替手段・紛争解決条項を契約書に明記することで二重拘束リスクを軽減できる。法務部門が半年に一度のペースで各国の対抗規制状況を棚卸しすることが推奨される。EU・中国の対抗規制の最新動向を把握し、契約書への条項追加で二重拘束リスクに備えることが重要だ。
関連用語
域外適用は非米国企業でも米国制裁に服させる仕組み。ドル決済・米国金融機関との関係を持つ企業は潜在的に対象となるため、コンプライアンス体制の整備が急務だ。
二次制裁は直接取引がなくても適用されるため、自社が無関係でも取引先・資金調達先に制裁対象が含まれると制裁リスクを負う。多段階のスクリーニング体制が不可欠だ。
制裁はOFACのSDNリストで管理される。取引先スクリーニングを怠ると巨額の罰金リスクが生じるため、グローバル企業では定期的な確認が必須のコンプライアンス作業だ。
経済安全保障政策は補助金受取と規制コストという両面で企業収益を変える。日米欧の重要物資指定・補助金配分・規制強化の動向を追い、恩恵を受けるセクターと規制コストが増える企業を峻別する視点が実践的だ。
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