この動画でわかること

  1. 外国人投資家を「ロングショート型・グローバルマクロ型・CTA」の3種類に分けて行動パターンで見る視点。
  2. 「高市トレード」の銘柄群を買っていたのはどの種類の投資家で、どんな論理で動いていたのか。
  3. 45日ノーティスルールの仕組みと、それが年末の高市トレード銘柄に与える構造的な影響。

「高市トレード」という言葉は、政権交代とともに生まれた政治ニュースの文脈で語られることが多い。しかし宮島秀直氏がこの動画で問うているのは、政権の行方でも、どの銘柄が上がるかの予測でもありません。「誰が、何の理由で、日本株を買っているのか」という、資金フローの構造です。政治的な期待感は市場を動かす一因ですが、その裏側で動く資金の種類と論理を知らなければ、「買われた」「売られた」の意味を正確に読めない。この動画は、その実態を整理するための内容になっています。

外国人投資家という言葉は、しばしば一枚岩のものとして扱われます。しかし宮島氏は、その実態を3種類に分けることが分析の基本だと言います。同じ「外国人が買っている」という現象でも、動く理由も、タイミングも、影響を受ける銘柄の種類も、まったく異なる。2025年11月時点の高市トレードを正確に理解するためには、まずこの分類を押さえることが出発点になります。

外国人投資家は「3種類」に分かれる――ロングショート型・グローバルマクロ型・CTAの違い

宮島氏によると、外国人投資家は大きく3種類に分類できます。第一が「ロングショート型ヘッジファンド」です。個別銘柄を長期的視点でロング(買い持ち)とショート(売り持ち)を組み合わせながら運用するタイプで、政策変化に対して、どのセクターが恩恵を受けるかを分析しながら銘柄を丁寧に組み立てていきます。株式市場の構造をよく知り、個別の企業や業種をベースに考えていく、いわば「善玉」的な存在です。第二が「グローバルマクロ型」および「CTA(コモディティトレーディングアドバイザー)」です。彼らは個別銘柄を一切買わず、日経225やTOPIXなどの指数先物だけを売買します。政治的なシンボル変化やクォンツ(数値的なトリガー)で一気に動くのが特徴で、個別企業の分析よりもマクロな方向感で大きく動くタイプです。

第三が「長期投資信託系」の投資家です。フィデリティのような大規模な運用会社が典型で、ファンダメンタルに基づいて長期的な視点で保有するため、政策の変化に対して急に動くことは少ないです。この3種類は、動くタイミングも、動く根拠も、影響する市場も異なります。「外国人が買っている・売っている」という情報を見たとき、それがどの種類の投資家による動きなのかを意識するだけで、市場を見る解像度がまったく変わります。

誰が「高市トレード」を買っているのか――2025年秋の資金フロー

2025年秋の高市政権発足後、「高市トレード」と呼ばれる銘柄群を積極的に買い進めていたのは、主にロングショート型ヘッジファンドです。宮島氏の整理では、彼らは高市政権の政策スタンスを「積極財政が安定的に実現できる環境」と評価し、その方針に連動する銘柄群の組み入れを急速に増やしていました。いわゆる「アベノミクス型」の経済運営への期待が、ロングショート型の資金を引き付けていた、というのがこの時点での資金フローです。

一方で、指数先物を中心に動くグローバルマクロ型・CTAは、この時点でやや異なる状況にいました。9月末の決算に向けて、すでに大きくポジションを持ってしまっていたためです。彼らが12月末の年末決算に向けてポジションをニュートラル化(解消)しようとする段階では、新たに個別銘柄を買い増す余力は限られていました。高市トレードの銘柄を個別に積み上げていたのはロングショート型であり、これを理解しないと「誰が動かしているか」が見えなくなります。

45日ノーティスルールとは何か――ヘッジファンドが年末に動く構造的な理由

ヘッジファンドの多くは、12月末を決算とするものが多い。出資者(お客さん)が年末決算時にお金を返してもらうためには、45日前——11月中旬——までに解約の申し出をしなければならないというルールがあります。これが「45日ノーティスルール」です。増えた資産の一部を手元に戻したいお客さんは、このルールに従って所定の期日までに解約を申請します。申請を受けたヘッジファンドは、その分の現金を用意するために、保有している株を売却しなければなりません。

実際には、11月中旬の45日前よりも早く、10月末頃から動き始めるお客さんが出てくるのが通例です。この動きは、マクロ環境や個別銘柄の見通しとは独立した、決算カレンダーに由来する構造的な売りです。年末に差し掛かるたびに繰り返される機械的な資金フローであり、「ファンダメンタルが悪化したから売る」という話ではありません。この仕組みを知っているかどうかが、年末の市場を見るうえで大きな差になります。

高市トレード銘柄が年末に直面するリスク――積み上がったポジションの出口問題

問題は、この45日ノーティスによる解約売りが、ちょうどロングショート型ヘッジファンドが「高市トレード」の銘柄を大きく積み上げているタイミングと重なっていることです。積み上がったポジションの一部を年末に向けて売って現金化する動きが出てくれば、その売り圧力は高市トレード銘柄に直接かかってきます。宮島氏はこれを、2025年11月時点における注意ポイントとして整理しています。

これは高市政権の政策評価や、個々の銘柄の本源的価値とは別の問題です。年末に向けた売りは、「この銘柄の魅力がなくなった」からではなく、「決算に間に合わせるために利益を確定する」という構造的な動きです。そしてこの局面では、石破政権時代に買われていた別の銘柄分類との入れ替わりも含めて、資金の流れが複合的に動いていました。宮島氏が整理するのは、ファンドの決算カレンダーと政策期待が交差するこの時点の条件です。具体的な市場水準や資金規模の試算については、動画本編で宮島氏が解説しています。

要点整理

  • 外国人投資家は「ロングショート型・グローバルマクロ型/CTA・長期投信系」の3種類に分類でき、動く理由もタイミングも異なります。
  • 2025年11月時点に「高市トレード」の銘柄群を積極的に買っていたのは、ロングショート型ヘッジファンドです。
  • グローバルマクロ型・CTAは指数先物を主体に動き、9月末決算を終えた段階でポジションが積み上がっており、新たな銘柄買いの余力は限られていました。
  • 45日ノーティスルールにより、年末決算前の11月中旬を起点に、出資者からの解約申請がヘッジファンドに集中しやすくなります。
  • これによりヘッジファンドは保有銘柄を売却・現金化する動きが構造的に生じ、積み上がった銘柄に売り圧力がかかる局面が生まれやすくなります。
  • この記事は2025年11月時点の条件整理です。高市氏は当時の政治期待の中心人物でしたが、その後の政権継続・政策実現については動画内でも扱っていません。

外国人投資家の種類別行動パターンと45日ノーティスルールの仕組みは、年末に限らず、外国人の動きを読み解くための基礎知識になります。「誰が何の理由で日本株を動かしているのか」を自分なりに考えるための視点として、ぜひ動画本編で宮島氏の解説を確認してみてください。


免責事項・時点注記:本記事は動画の収録時点の情報をもとに構成しています。制度・市場環境・人物の肩書や状況などは、その後変化している可能性があります。本記事で扱っている外国人投資家の動向分析、高市トレードの資金フロー、45日ノーティスルールの影響は、いずれも2025年11月時点の文脈に基づく整理です。高市氏への言及は「当時の政治期待の中心人物」という文脈に限ったものであり、その後の政権継続・政策実現の結果については一切扱っていません。また、本記事は教育目的で動画内容を整理したものであり、特定の金融商品や株式銘柄を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。