この動画でわかること
  1. 1 なぜ日本株が関税ショック後に世界の中でも早く戻したのか、その背景を資金フローからどう見るか
  2. 2 米国投資家と欧州投資家で、日本株へのスタンスがどう違っていたのか
  3. 3 G7(主要7カ国首脳会議)を前に、なぜ宮島氏が「上昇局面を追いかけない」姿勢を重視していたのか

2025年5月上旬の日本株は、関税ショック後の急落から大きく戻し、相場の空気はかなり改善していた。日経平均も収録時点では、当時の安値圏からかなり回復した参照水準に達しており、市場には「思ったより強い」という見方が広がっていた。

ただ、この動画で宮島秀直氏が強調しているのは、単純な強気ではない。たしかに日本株は世界の中でも早く戻したが、その背景には、個人投資家の安定した買い、外国人投資家の期待先行、そしてヘッジファンド(市場環境の変化に応じて機動的に売買する運用主体)の強気姿勢が重なっていた可能性がある。一方で、そうした回復が「戻りすぎ」になっていないか、という視点も必要だと宮島氏は見る。

とくに重要なのが、6月15日のG7(主要7カ国首脳会議)を当時の実質的な期限として意識していた点だ。日米交渉が前向きに進むという期待が日本株を支えていた反面、その期待が崩れた場合には失望売りが出る余地もある。動画の価値は、2025年5月時点の日本株センチメントと資金フロー(投資資金の出入りの方向と量)のスナップショットを残しているところにある。

日本株はなぜ早く戻したのか 個人投資家と出来高の強さ

宮島氏は、関税ショック後の日本株の戻りの速さを考えるうえで、まず出来高(ある期間に売買が成立した株数)に注目している。出来高は、市場にどれだけ買い手と売り手がいるかを見る手がかりになる。収録時点の宮島氏の見方では、日本株は下落局面でも売買が細らず、個人投資家の買いが比較的しっかり入っていたことが、相場の復元力を支えていた。

その背景として挙げられるのが、新NISAを通じた個人投資家の継続的な買いだ。短期的な値動きに振られにくい資金が入っていると、市場の弾力性、つまり下落から戻る力の強さが増しやすい。宮島氏は、日本株の戻りが単なる投機ではなく、こうした安定した買い支えの上に成り立っていた可能性を指摘する。

ただし、ここでのポイントは「だから今後も安心」と断定することではない。動画は、収録時点で日本株が強く戻っていた背景を説明しているのであって、その後の上昇を約束するものではない。/media/youtube/ の記事としては、当時どの力が相場を支えていたかを理解することが重要である。

外国人投資家フローはどう変わったのか 米国と欧州の違い

この動画でとくに面白いのは、外国人投資家を一括りにせず、米国と欧州で分けて見ている点である。宮島氏によれば、米国の長期投資家は、日銀の発信を受けて日本株への見方を改善したものの、その後は勢いがしぼみ始めていた。一方、欧州の投資家は、日本が米国との関税交渉に先行して入ったことを材料に、より粘り強く日本株を買っていたが、ゴールデンウィーク前後からその流れにも変化が見え始めたという。

ここで宮島氏が警戒サインとしていたのが、欧州投資家の買いの鈍り方である。特に、しぼみ方が速いという点を重要な変化として見ていた。つまり、日本株の回復は外国人資金に支えられていた面がある一方、その期待が一方向に続くとは限らないということだ。

この分析の意義は、日本株の強さを単に国内材料だけで説明しないところにある。外国人投資家のスタンスの違いを追うことで、日本株がどこまで期待で買われているのか、そしてその期待がどこで鈍り始めているのかを立体的に捉えられる。

ヘッジファンドはなぜ日本株に強気だったのか

宮島氏は、収録時点の日本株に対するヘッジファンドのセンチメント(市場参加者の強気・弱気の度合いを示す指数)にも注目している。動画では、日本株に対するセンチメントが高水準にあり、米国株の低い水準と対照的だったことが紹介されている。つまり、少なくとも当時の短期資金は、日本株にかなり強気な姿勢を取っていたとみられる。

ただし、宮島氏はこの強気をそのまま肯定していない。むしろ問題視しているのは、その一部が日米交渉への楽観に支えられていた点である。たとえば、自動車関税が大きく改善するのではないかといった見方が市場にあったとしても、その根拠は必ずしも十分ではない。宮島氏は、こうしたブル(相場が上がると見て強気の姿勢を取ること)の中に、根拠の薄い期待が混じっている可能性を指摘している。

この論点は、動画ページとして重要だ。なぜなら、相場が戻っているときほど、強気の理由の中身を点検する必要があるからである。宮島氏は、日本株に対して強気の資金が多いこと自体より、その前提が崩れたときの揺り戻しを警戒していた。

G7前に何を警戒していたのか 宮島氏の慎重シナリオ

動画の終盤で焦点になるのが、6月15日のG7を前にした慎重シナリオである。宮島氏は、この日程が日米交渉の節目として市場に意識されていると見ていた。日本株の回復には「交渉が前進するかもしれない」という期待が織り込まれていた一方、結果が伴わなければ失望売りに転じる可能性があるということだ。

そのため、宮島氏の戦術的な結論は比較的はっきりしている。上昇している局面を慌てて追いかけるのではなく、下がった場面を待つ方がよい、という姿勢だ。個別銘柄の推奨というより、全体相場に対して「買い急がない」スタンスに近い発想である。

また、日銀の政策についても、内田副総裁の発言をきっかけに、日本の利上げが段階的に進む可能性が意識されていた。宮島氏は、中立金利(景気を過熱も冷やしもしない均衡の政策金利水準)に向けてゆっくり調整していくイメージを当時の市場が持ち始めていたと見ており、こうした金利観も外国人投資家の安心感につながっていたという整理である。

要点整理

  • 関税ショック後の日本株の早期回復の背景として、宮島氏は個人投資家(新NISA経由)の安定した買いと出来高の厚さを挙げている。ただし、これは当時の相場状況の観察であり、今後の株価動向を約束するものではない。
  • 外国人投資家のフローは米国と欧州で異なる動きを見せており、欧州勢の買いがゴールデンウィーク前後からしぼみ始めた点を宮島氏は注目していた。外国人資金の期待が一方向には続かないという視点が重要だ。
  • 収録時点で宮島氏が取っていた姿勢は、上昇局面を追いかけるより下がった場面を待つという慎重なスタンスだった。6月15日のG7を節目と見て、期待が崩れた際の失望売りリスクを意識していたことも、動画本編で確認できる。

2025年5月時点で、日本株がなぜこれほど早く戻したのか、そしてその強さの裏にどんな不安が残っていたのかを知りたい方は、ぜひ動画本編をご覧ください。宮島秀直氏が、個人投資家、外国人投資家、ヘッジファンドの動きをどう重ねて見ていたのかが、短時間で整理できます。


免責事項・時点注記:本記事は動画の収録時点の情報をもとに構成しています。制度・市場環境・人物の肩書や状況などは、その後変化している可能性があります。本記事は2025年5月上旬収録の動画内容を教育目的で整理したものです。記載している数値・市場状況・見通しはすべて収録時点のものであり、現在とは異なる可能性があります。本記事は特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。