この動画でわかること

  1. 2023年4月時点で、S&P500とMSCIワールドのサイクルをどう見ていたか。S&P500は米国の代表的な株価指数、MSCIワールドは先進国中心の世界株指数です。
  2. 中国一辺倒ではなく、グローバルサウスへも目線が広がる流れを、宮島氏がどう整理していたか。グローバルサウスとは、南半球に限らず、インドや中東も含む発展途上国群の総称として使われています。
  3. バフェット来日と総合商社への注目を、資源権益や日本企業の位置取りとどう結びつけていたか。資源権益とは、鉱山や油田などの資源から収益を得る権利です。

この動画は、2023年4月時点で、世界の機関投資家が「アメリカ株の次にどこへ資金を振り向けるのか」をどう考えていたかを、宮島秀直氏が解説する内容です。ここで大切なのは、「結局その後どうなったか」を答え合わせすることではありません。2023年春の時点で、S&P500と世界株のサイクル、中国への集中、資源を持つ国々の存在、日本の総合商社の役割が、どう一つのテーマとして見られていたのかを整理することに価値があります。

また、この動画は「バフェットが買ったから正しい」という話でもありません。宮島氏は、機関投資家ヒアリングの空気感や資金配分の変化を主軸に置き、その補助線としてバフェット来日や総合商社の話を使っています。中国を否定するためではなく、中国に偏っていた視線が他地域へも広がり始めていた、という相対的な変化をどう読むか。その視点で見ると、かなり学びの多い内容です。

S&P500とMSCIワールドのサイクルをどう見ていたか

宮島氏がまず示すのは、S&P500をMSCIワールドと比べたときの長いサイクルです。要点は、米国株がずっと強い時期もあれば、世界株全体に対して相対的に伸びが鈍る時期もある、ということです。ここでいう「アンダーパフォーム」は、米国株が絶対的に下がるという意味ではなく、世界株が上がる中で米国株の上昇率が相対的に見劣りする状態を指します。宮島氏は、2023年4月時点で、多くの機関投資家がそうした相対比較の転換点を意識していたと説明します。

この見方の重要な点は、「アメリカ株が危ない」と煽ることではないことです。宮島氏が伝えようとしているのは、米国株中心だった資金配分が、その先の行き先を探り始めていたという事実です。2023年春は、米銀不安などシステミックリスクも意識されていた時期でしたが、それでも主題は恐怖ではなく、資金配分の軸がどこへ移るのかという問いでした。システミックリスクとは、一部の金融機関の問題が市場全体に波及するリスクです。

中国集中からグローバルサウスへ、資金配分はどう変わると見られていたか

宮島氏によれば、かつて新興国投資といえば中国をまず想起する投資家が多かったものの、2023年春のヒアリングでは、その前提に変化が見られました。記事では細かな比率を断定する必要はありませんが、以前ほど中国一辺倒ではなくなり、他地域へも資金配分の視線が広がっていたという整理が重要です。ここは「中国株はダメ」と読むべきではなく、機関投資家が中国以外の選択肢も本格的に見始めていた局面と捉えるべきでしょう。

その受け皿として宮島氏が挙げるのが、グローバルサウスです。これは地理的に南半球を指す言葉ではなく、中国・ロシア陣営にも、西側一辺倒にも寄り切らない発展途上国群という意味で使われています。インド、ブラジル、メキシコ、中東など、資源や人口、成長余地を持つ国々がここに含まれます。宮島氏は、世界の資金が「中国か、それ以外か」という二者択一ではなく、「中国から一部離れ、資源と成長余地のある国々へ向かう」方向を意識し始めていたと見ていました。

グローバルサウスを「資源を持つ第三世界」としてどう捉えていたか

この動画で特徴的なのは、グローバルサウスを単なる流行語として扱っていない点です。宮島氏は、これらの国々を「資源を持ち、かつGDPが伸びている第三世界」として説明します。一人当たりGDP(per capita)の観点もにじませながら、先進国とは異なる成長の伸びしろがあり、さらに資源国としての強みを持つ地域として捉えていました。

さらに宮島氏は、米国株がアンダーパフォームした過去には、別の市場が主役になった局面があったと歴史的に整理します。1980年代後半から90年代前半の日本、2000年代後半から2010年代前半の中国など、時代ごとに"次の主役"がいた。2023年4月時点では、その次の候補として、中国そのものではなく、より広いグローバルサウスが意識されていたというわけです。この歴史比較があることで、単なる短期テーマではなく、資金配分の大きな流れの話として理解しやすくなっています。

バフェット来日と日本商社は、なぜ同じ文脈で語られたのか

バフェット来日は、この動画では主役ではなく、あくまで資金シフトを説明する補助線です。宮島氏は、総合商社の副社長からの伝聞として、バフェットが中国株よりもグローバルサウス側に関心を向けている趣旨の話を紹介します。ここで重要なのは、副社長からの伝聞として紹介されているのであって、バフェット本人の一次発言として断定してはいけないという点です。動画でも、宮島氏はそのエピソードを"資金配分の変化を象徴する話"として使っています。

ではなぜ総合商社なのか。宮島氏の答えは明快で、日本の総合商社はグローバルサウスの資源やインフラ、食料、エネルギーにアクセスする窓口になりうるからです。総合商社とは、エネルギー、金属、食料、機械などを幅広く扱う日本特有の巨大商社群を指します。資源権益を持ち、現地との長い関係もあるため、グローバルサウスへの資金シフトを受ける立場にあるのではないか、というのが宮島氏の整理です。ここでの論点は、商社株の推奨ではなく、「日本企業のどこがこの変化と接続しているのか」を考える視点です。

要点整理

  • 2023年4月時点で宮島氏は、S&P500とMSCIワールドの相対サイクルから、米国一極集中の見直しが意識されていると見ていました。
  • 機関投資家の資金配分は、中国一辺倒ではなく、グローバルサウスにも広がる流れが意識されていました。
  • グローバルサウスは南半球の意味ではなく、資源を持ち、成長余地のある第三世界として説明されています。
  • バフェット来日や総合商社への注目も、資金配分の変化を説明する補助線として位置づけられています。

この動画の価値は、バフェットの名前そのものではなく、宮島氏がグラフとヒアリング情報をつないで「資金がどこへ向かおうとしているのか」を描いている点にあります。S&P500とMSCIワールドの比較、グローバルサウスの定義、商社との接続は、動画で見た方がずっと立体的に入ってきます。記事で骨格をつかんだら、ぜひ本編でその空気感と流れも確認してみてください。


免責事項・時点注記:本記事は動画の収録時点の情報をもとに構成しています。制度・市場環境・人物の肩書や状況などは、その後変化している可能性があります。本記事で扱っているS&P500とMSCIワールドの比較、機関投資家ヒアリング、中国からの資金配分変化、バフェット来日と総合商社への注目は、すべて2023年4月26日時点の動画内容と当時の市場環境を前提にしたものです。バフェットに関する発言も、総合商社副社長からの伝聞として紹介された内容であり、一次発言として断定するものではありません。後知恵で結果を裁くのではなく、当時何が注目されていたのかを整理するための記事としてお読みください。本記事は教育目的で制作しており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。