世界の金融市場は、様々な要因が複雑に絡み合い、日々変化しています。7月22日の市場は、米ハイテク株の力強い上昇が全体を牽引し、世界的にリスクオンムードが広がりました。今日は、この背景にある重要な動きを詳しく見ていきましょう。
昨日のマーケット概況（2025年7月22日）
22日の米国市場は、ハイテク株主導で続伸し、S&P500とナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新しました。ダウ平均株価も反発し、44,502.44ドル（+0.40%）で取引を終えています。中国市場でも上海総合指数が4日続伸し、約3年半ぶりの高値を更新するなど、世界的にリスク選好のムードが広がりました。一方、連休明けの東京株式市場では、日経平均株価が続落。参院選を無事通過したものの、今後の日米通商交渉の行方を見極めたいとの姿勢から、上値の重い展開となりました。為替市場では、ドル円が146円台まで円高が進む場面もありましたが、FRB（米連邦準備制度）の利下げ期待を背景に、ドルは底堅く推移しています。金価格は、トランプ大統領とFRB高官からの利下げ示唆発言を受け、約1カ月ぶりの高値圏で推移しています。
Nvidia株価急騰！中国向けチップ輸出再開の報道が追い風
半導体大手Nvidiaの株価が急騰し、米国市場全体を力強く牽引しました。この背景には、トランプ政権が中国向けの高性能AI半導体の輸出を一部再開することを承認したとの報道があります。これまで米中間の技術覇権争いの中心にあった半導体規制が、選択的に緩和される可能性が示された形です。この動きは、米中間の緊張緩和への期待を抱かせるとともに、Nvidiaの巨大な中国市場へのアクセスが再び開かれるとの見方から、同社株だけでなく関連のハイテク銘柄にも買いが広がる大きな要因となりました。
中国株、3年半ぶり高値更新！米中対話と景気対策への期待で
中国の株式市場が活況を呈しています。上海総合指数は4営業日続伸し、2022年1月以来、約3年半ぶりの高値を更新しました。この上昇の背景には、複数の好材料があります。一つは、APEC（アジア太平洋経済協力会議）での米中首脳会談開催の可能性が報じられ、対立激化への懸念が和らいだこと。もう一つは、中国政府が打ち出す景気対策への期待感です。米中関係の安定化への期待という外的要因と、政府による内需刺激策という内的要因が組み合わさり、投資家心理が大きく改善しています。建設関連や鉄鋼といった景気敏感株が相場を牽引しました。
米国株は最高値更新、利下げ期待が市場を後押し
S&P500とナスダック総合指数が連日で過去最高値を更新するなど、米国市場の強さが際立っています。Nvidiaのニュースに代表されるテクノロジー株の力強い上昇が市場を牽引していることに加え、FRBによる利下げ期待が市場の楽観ムードを支えています。トランプ大統領が改めて利下げを要求しているほか、FRBのウォラー理事からも7月の利下げを支持する趣旨の発言が出ています。堅調な企業業績と、金融緩和への期待という二つのエンジンが、現在の米国株高の原動力となっています。
金価格が1カ月ぶり高値、FRBの利下げ観測が追い風
安全資産の代表格である金（ゴールド）の価格が、約1カ月ぶりの高値水準まで上昇しました。この直接的な要因は、FRBによる利下げ観測の高まりです。トランプ大統領に加え、金融政策に大きな影響力を持つFRBのウォラー理事が早期の利下げに前向きな姿勢を示したことで、市場では7月の利下げの可能性が強く意識されています。金利を生まない金は、金利が低下する局面で相対的な魅力が高まります。有力な当局者からのハト派的な発言が、金市場への資金流入を促しました。
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