人生100年時代。これからの時間を、もっと自分らしく、心豊かに過ごしたい。そして、これまで築き上げてきた大切な資産や、家族への想いを、円満に次の世代へ繋いでいきたい――。そう願うアクティブ世代の皆様は、少なくないのではないでしょうか。
一方で、「そろそろ考えないといけないとは思うけれど、何から手をつけていいか分からない」「専門的な話は難しそうで…」と、漠然とした不安を感じ、一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。この記事は、そんな皆様の心にそっと寄り添い、未来への羅針盤となる「5つのテーマ」を、最新の情報を交えながら、一つひとつ丁寧にご案内するものです。読み終える頃には、きっと「これならできそう」という、具体的な第一歩が見つかるはずです。さあ、一緒に心豊かな未来を描く旅を始めましょう。
1. 「争族」を避けるための円滑な資産承継、2025年からの新潮流
「うちの家族は仲が良いから大丈夫」と思っていても、些細なことから大きなトラブルに発展してしまうのが、資産にまつわるお話の難しいところです。これを「争族」と呼ばないために、事前の準備が何よりも大切になります。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
1. 家族構成の多様化:再婚や事実婚など、家族の形が多様になり、誰がどれだけの資産を受け継ぐのか、以前よりも複雑になっています。
2. デジタル資産の増加:ネット銀行の口座や株式、SNSアカウントや写真データなど、目に見えない「デジタル遺産」が増加しています。これらのID・パスワードの情報を安全な形で記録・共有しておかないと、ご家族が気づけず、資産が凍結されてしまうこともあります。
3. 法制度の変化:相続に関する法律も時代に合わせて変化しています。早めに最新の情報を知っておくことが、円満な承継への近道です。
まずはここから!「資産承継」のやることリスト
□ ステップ1:資産の見える化
預貯金、不動産、有価証券といったプラスの資産だけでなく、ローンなどのマイナスの資産も全て書き出してみましょう。デジタル資産の一覧作成も忘れずに。
□ ステップ2:想いの整理と共有
誰に、何を、どのように遺したいのか、ご自身の想いを整理し、まずは配偶者や信頼できるご家族に話してみましょう。「遺言書」として形に残すことも有効な手段です。
□ ステップ3:専門家への相談
法的な手続きや税金のことで分からないことがあれば、弁護士、司法書士、税理士といった専門家に相談してみましょう。初回の無料相談を利用するのも良い方法です。
2. 人生100年時代の健やかなセカンドライフ、医療・介護費用の賢い備え方
これからの人生をアクティブに楽しむためには、心身の健康と、それを支える経済的な備えが欠かせません。将来の医療費や介護費用について、早めに具体的な見通しを立てておくと、安心して毎日を過ごせます。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
1. 健康寿命と平均寿命の差:元気に自立して過ごせる「健康寿命」と、平均寿命の間には約10年の差があります。この期間は、医療や介護のサポートが必要になる可能性が高まります。
2. 医療技術の進歩と物価上昇:高度な医療を受けられるようになった一方で、医療費は増加傾向にあります。また、物価の上昇は、将来の介護サービス費用にも影響を与えます。
3. 公的制度の限界:高額療養費制度や介護保険は心強い味方ですが、全てをカバーしてくれるわけではありません。特に、公的介護保険だけでは賄えない費用(施設の食費・居住費、消耗品費など)があることを理解しておくことが重要です。
まずはここから!「医療・介護費用」のやることリスト
□ ステップ1:理想の暮らしをイメージ
将来、どのような場所で、どんな暮らしを送りたいですか?自宅での介護を望むのか、施設への入居を考えているのかで、必要な費用は大きく変わります。
□ ステップ2:公的制度の確認
ご自身が加入している健康保険の保障内容や、お住まいの自治体の介護保険サービスについて調べてみましょう。窓口でパンフレットをもらうだけでも発見があります。
□ ステップ3:資金計画を立てる
現在の貯蓄や年金収入から、将来の医療・介護費用としていくら準備できそうか、大まかに計算してみましょう。不足分があれば、民間の保険や資産運用で補うことを検討します。
3. アクティブ世代の「経験」と「次世代へのエール」への賢い分配術
資産は、ただ遺すだけのものではありません。ご自身の人生を豊かにする「経験」のために使ったり、お子さんやお孫さんの夢を応援する「エール」として贈ったりすることも、素晴らしい使い方です。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
1. 贈与税のルール変更:2024年1月からルールが変わり、亡くなる前に贈与した財産を相続財産に加算する期間が、死亡前3年から7年に延長されました。この変更を理解した上で、計画的に贈与を行うことが重要です。
2. 次世代のライフイベント:お子さんの結婚、住宅購入、お孫さんの教育資金など、次世代がまとまった資金を必要とするタイミングは、ご自身が元気なうちに訪れることが多くなっています。
3. 「ありがとう」を直接伝えられる:生前に資産を贈る「生前贈与」は、ご家族の喜ぶ顔を直接見ることができ、「ありがとう」の言葉と共に想いを伝えられる素晴らしい機会です。
まずはここから!「賢い分配」のやることリスト
□ ステップ1:ご自身の必要資金を確保
まずは、ご自身のこれからの人生で必要となる資金をしっかりと計算し、確保しましょう。その上で、余裕のある範囲で贈与を検討することが大前提です。
□ ステップ2:非課税制度を学ぶ
年間110万円までの暦年贈与のほか、教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与など、目的によっては大きな非課税枠が用意されています。どんな制度があるか調べてみましょう。
□ ステップ3:家族と目的を話し合う
なぜ応援したいのか、どんなことに役立ててほしいのか、ご自身の想いを伝えながら、家族みんなで資産の使い道を話し合う時間を持つことが、円満な分配の秘訣です。
4. セカンドライフを輝かせるための、柔軟な資産運用とライフデザイン
これからの長い人生を経済的な不安なく、自分らしく謳歌するためには、資産をただ守るだけでなく、インフレにも負けないように賢く育てていく視点も大切になります。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
1. 長寿化による資金需要の増加:人生が長くなるということは、それだけ生活費もかかるということです。預貯金を取り崩すだけでは、資産が目減りしてしまう可能性があります。
2. インフレへの備え:物価が上昇すると、同じ金額で買えるものが少なくなります。つまり、銀行に預けているだけでは、実質的にお金の価値が下がってしまうのです。
3. 多様な働き方と生き方:定年後も働き続けたり、趣味や地域活動で新たな生きがいを見つけたりと、ライフスタイルは様々です。その時々の状況に合わせて柔軟に見直せる資産計画が必要です。
まずはここから!「資産運用」のやることリスト
□ ステップ1:ご自身の価値観を確認
どんなことにお金を使い、どんな人生を送りたいですか?資産運用の目的は、この価値観を実現するための手段です。まずは理想のライフデザインを描いてみましょう。
□ ステップ2:NISAなどの制度を活用
2024年から新しくなったNISA(少額投資非課税制度)は、利益に税金がかからない、アクティブ世代にとって心強い制度です。まずは少額から始めてみるのがおすすめです。
□ ステップ3:専門家と共に計画を見直す
資産運用は一度始めたら終わりではありません。ファイナンシャル・プランナー(FP)などの専門家と定期的に相談し、ご自身のライフプランに合わせて計画を見直していきましょう。
5. 大切な資産や想いを未来へ繋ぐ、円満な「財産」の受け渡し方
最後にご紹介するのは、単なるお金や不動産といった「財産」だけでなく、ご自身の人生で培われた「想い」や「価値観」を、いかにして円満に未来へ繋いでいくか、というテーマです。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
1. 認知能力の低下への備え:万が一、将来ご自身の判断能力が低下してしまった場合、預金の引き出しや不動産の売却ができなくなる恐れがあります。そうなる前に備えておくことが肝心です。
2. 新しい制度の登場:近年、「家族信託」という制度が注目されています。これは、ご自身が元気なうちに、信頼できるご家族に財産の管理や処分を託す契約のことで、柔軟な資産承継が可能になります。
3. 家族の絆を深める機会:資産承継の話は、ご自身の人生を振り返り、家族への感謝を伝える絶好の機会です。こうした対話を通じて、家族の絆はより一層深まります。
まずはここから!「想いを繋ぐ」やることリスト
□ ステップ1:エンディングノートを書いてみる
財産リストだけでなく、ご自身の半生、家族へのメッセージ、大切にしてきた価値観などを自由に書き留めてみましょう。法的な効力はありませんが、ご家族にとってはかけがえのない宝物になります。
□ ステップ2:家族信託や後見制度を学ぶ
ご自身の状況に合わせて、どんな制度が活用できるか情報を集めてみましょう。司法書士や弁護士が、分かりやすく説明してくれます。
□ ステップ3:定期的な「家族会議」を開く
年に一度でも構いません。ご自身の想いや計画の進捗を家族に共有する場を設けましょう。全員が納得できる未来を、一緒に創り上げていくことが大切です。
まとめ:心豊かな未来を描くための第一歩
ここまで、これからの人生をより豊かに、そして円満に次世代へ想いを繋ぐための5つのテーマについてお話ししてきました。大切なポイントを振り返ってみましょう。
- 早めの準備:何事も、ご自身の意思が明確で、心身ともに元気なうちから始めることが成功の鍵です。
- 見える化:資産も想いも、まずは書き出して「見える化」することから始めましょう。
- 対話:ご家族と想いを共有し、対話を重ねることが、何よりの「争族」対策になります。
- 専門家の活用:一人で悩まず、必要に応じて専門家の知恵を借りましょう。
完璧な計画を一度に立てる必要はありません。大切なのは、今日、この瞬間からできる「小さな一歩」を踏み出すことです。例えば、ご自身の資産をノートに書き出してみる。あるいは、パートナーに「今度、これからのこと、少し話さない?」と声をかけてみる。その小さな一歩が、あなたとあなたの大切なご家族の、心豊かな未来へと繋がっています。私たちは、いつでもあなたの輝く人生を応援しています。
免責事項
本記事で提供される情報は、記事作成時点のものです。税制、年金、法律などの制度は将来変更される可能性がありますので、必ず公式サイトや専門家にご確認ください。
また、本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品、法律、税務上のアドバイスを行うものではありません。個別の状況に応じた最終的な決定は、税理士、弁護士、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家にご相談の上、ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

