こんにちは。アクティブ世代のライフプラン・コンサルタントです。人生の豊かな経験を重ね、これからの時間をどう過ごそうかと胸を膨らませる輝く世代の皆様。「財産のことは、そろそろ考えないといけないな…」と、心のどこかで感じていらっしゃるのではないでしょうか。「でも、何から手をつけていいか分からないし、家族に切り出すのもなんだか気が引ける…」そんなお声をよく耳にします。大切なのは、ご自身が築き上げてこられた資産と、ご家族への温かい想いを、円満な形で未来へ繋いでいくこと。この記事では、そんな皆様の漠然とした不安を解消し、具体的な第一歩を踏み出すための道しるべとなるよう、専門用語をできるだけ使わず、心を込めて解説いたします。一緒に、心豊かな未来を描く準備を始めましょう。
「生前贈与」や「遺言」とは?- 私たちの人生にどう関係するの?
「生前贈与」や「遺言」と聞くと、少し堅苦しく、自分にはまだ早いと感じるかもしれませんね。ですが、これらは決して特別なことではなく、ご自身の「想い」を大切なご家族へ伝えるための、とても温かい手段なのです。
「生前贈与」とは、ご自身が元気なうちに、ご自身の意思で、お子さんやお孫さんなど特定の方へ財産を譲ることです。お子さんの住宅購入の頭金に、お孫さんの教育資金に、といった形で、ご家族の人生の節目を応援できるのは、贈る側にとっても大きな喜びですよね。
一方、「遺言」は、ご自身の万一の際に、残された財産を「誰に」「何を」「どれくらい」渡すのかを記した、いわば「最後のラブレター」のようなものです。法的な効力を持つため、ご自身の意思を明確に残すことができます。
これらを準備する一番の目的は、ドラマで見るような「争族」を避けるためです。財産をめぐる家族間のトラブルは、金額の大小に関わらず、コミュニケーションのすれ違いから生まれることがほとんどです。元気なうちにご自身の想いを伝え、準備しておくことが、何よりの家族円満のお守りになるのです。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
「まだ元気だし、もう少し先でいいかな」と思われるかもしれません。しかし、実は「今」だからこそ考えておくべき、大切な理由が3つあります。
理由1:2024年から贈与のルールが変わったから
これまで多くの方が利用してきた、毎年110万円までの贈与が非課税になる「暦年贈与」。このルールに大きな変更がありました。それは、亡くなる前の贈与を相続財産に加算する期間が、これまでの3年から段階的に7年へと延長されたことです。つまり、対策を始めるのが遅くなるほど、その効果が薄れてしまう可能性があるのです。早めに計画を立てることが、より賢い資産の引き継ぎに繋がります。
理由2:使いやすくなった新しい贈与制度が始まったから
一方で、明るいニュースもあります。それは「相続時精算課税制度」という仕組みです。これまで少し使い勝手が難しい面がありましたが、2024年1月1日から、年間110万円の新しい非課税枠が追加されました。この枠を使えば、7年以内の贈与であっても相続財産に加算されません。まとまった資金を特定のタイミングで渡したい場合に、とても有効な選択肢となりました。さらに、住宅取得等資金の贈与税の非課税措置も2025年以降の延長が検討されており、お子さん世代への支援を考えている方には追い風です。
理由3:元気な「今」だからこそ、冷静に話し合えるから
何よりも大切なのが、ご自身の心と体の健康です。判断力がしっかりしている元気なうちに、ご自身の想いを整理し、ご家族とオープンに話し合う時間を持つこと。これが、誤解や憶測を防ぎ、全員が納得できる円満な未来への一番の近道です。いざという時になってからでは、冷静な話し合いが難しくなることもあります。「ありがとう」の気持ちを直接伝えられる「今」こそが、最適なタイミングなのです。
まずはここから!ケース別・やることリスト
【ケース1:何から始めたらいいか分からない方へ】
□ ステップ1:ご自身の想いを書き出してみる
「エンディングノート」などを活用し、誰にどんな想いを伝えたいか、財産をどうしてほしいか、まずは自由に書き出してみましょう。気持ちの整理になります。
□ ステップ2:財産のリストアップ
預貯金、不動産、有価証券、保険など、どんな財産がどこにあるのかを一覧にしてみましょう。ご家族が困らないための、大切な準備です。
【ケース2:お子さんやお孫さんに早めに財産を渡したい方へ】
□ ステップ1:贈与の目的と金額を決める
住宅購入資金、教育資金など、何のために、いくらくらい援助したいのかを具体的に考えます。
□ ステップ2:新しい贈与ルールを調べる
年間110万円の基礎控除ができた「相続時精算課税制度」など、ご自身の目的に合った制度の活用を検討してみましょう。
【ケース3:ご夫婦のどちらかに万一があった場合に備えたい方へ】
□ ステップ1:遺言書の作成を検討する
特に、お子さんがいらっしゃらないご夫婦や、ご自宅をご自身の兄弟姉妹ではなく配偶者に確実に残したい場合などは、遺言書が大きな力を発揮します。
□ ステップ2:専門家への相談
自筆証書遺言を法務局で保管してもらう制度などを活用すると、紛失や改ざんの心配がなく安心です。作成方法は専門家に相談するのが確実です。
専門家はどこにいる?- 頼れる相談窓口と選び方
ご自身で調べてみても、複雑で分からないことも多いと思います。そんな時は、迷わず専門家の力を借りましょう。相談内容によって、頼れるパートナーは異なります。
- 税理士:生前贈与や相続税に関する具体的な税金の計算、節税対策の相談に乗ってくれます。贈与契約書の作成もサポートしてくれます。
- 弁護士:家族間の意見がまとまらない可能性がある場合や、法的な観点から遺言書の内容を確実にしたい場合に心強い存在です。
- 司法書士:不動産の名義変更(相続登記)や、遺言書の作成支援、特に法務局での保管制度の利用手続きなどで頼りになります。
- ファイナンシャル・プランナー(FP):資産全体の状況から、ご家庭に合ったお金の計画全般について、中立的な立場で相談に乗ってくれます。どの専門家に相談すべきか迷った時の最初の窓口としても適しています。
まずは市役所や金融機関が開催する無料相談会に参加してみるのも良いでしょう。選ぶ際は、実績はもちろんですが、「この人になら安心して話せる」と感じられる、ご自身との相性も大切にしてください。
まとめ:心豊かな未来を描くための第一歩
これからの人生を、より安心して、心豊かに過ごすための準備についてお話ししてきましたが、大切なポイントを振り返ってみましょう。
- 生前贈与や遺言は、家族への「想い」を形にし、「争族」を避けるための温かい手段です。
- 2024年からのルール変更により、早めの計画と行動がより重要になりました。
- 元気なうちに家族と話し合い、必要であれば専門家の力を借りることが円満な未来への鍵です。
難しく考えすぎる必要はありません。今日からできる小さな一歩は、「ご家族と、これからの人生について話す時間を作ってみること」です。「この間、こんな記事を読んだんだけど…」と、この記事をきっかけに、まずは気軽に話してみてはいかがでしょうか。その一言が、ご家族の絆をさらに深め、皆様の輝く未来を確かなものにする、大きな一歩となるはずです。私たちが、そのお手伝いをさせていただければ幸いです。
免責事項
本記事で提供される情報は、記事作成時点のものです。税制、年金、法律などの制度は将来変更される可能性がありますので、必ず公式サイトや専門家にご確認ください。
また、本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品、法律、税務上のアドバイスを行うものではありません。個別の状況に応じた最終的な決定は、税理士、弁護士、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家にご相談の上、ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。