「SaaSクイックレシオ」とは
一言でいうと
SaaSクイックレシオは、増えたMRRが、失われたMRRの何倍あるかを見る指標。新規・拡張による成長と、解約・縮小による流出を比べて、成長の効率を測る。
詳しい仕組み・意味
SaaS Quick Ratioは、New MRRとExpansion MRRの合計を、Churned MRRとContraction MRRの合計で割って計算する。分子は増えた継続収益、分母は失われた継続収益である。
MRRが増えていても、裏側で解約や縮小が大きい場合、成長の質は弱い。クイックレシオを見ると、売上の増加が健全な積み上がりなのか、穴の空いたバケツに新規顧客を入れ続けているだけなのかを確認しやすい。
具体例・注意点
ある月にNew MRRが500万円、Expansion MRRが100万円、Churned MRRが100万円、Contraction MRRが50万円なら、SaaSクイックレシオは4.0倍になる。増加分600万円に対して流出分150万円なので、成長の効率は比較的良好と見られる。
注意点は、企業がこの指標を公式に開示していないことも多い点である。投資家はMRR内訳、NRR、GRR、チャーンレート、ARR成長率などから近い姿を推測する必要がある。
投資判断での使い方
SaaSクイックレシオは、成長の量ではなく質を見る指標である。NRR、GRR、Net New ARR、Sales Efficiencyと並べると、新規獲得に依存した成長なのか、既存顧客の拡張を伴う健全な成長なのかを判断しやすい。
📐 計算式・数値の目安
SaaSクイックレシオ = (New MRR + Expansion MRR) ÷ (Churned MRR + Contraction MRR)
📌 投資判断のポイント
SaaSクイックレシオは増えたMRRと失ったMRRの比率。成長が漏れの多い状態か、効率よく積み上がっているかを見る。
🏷 関連タグ
関連用語
MRRは、SaaSやサブスク事業が毎月どれだけの継続収益を得ているかを示す指標。ARRより短い単位で、契約の増減、解約、アップセルの変化を追いやすい。 MRRはMonthly Recurring Revenueの略で、月…
エクスパンション収益は、既存顧客から追加で得る売上のこと。上位プランへの移行、ユーザー数の増加、追加機能の購入、利用量の増加などによって生まれ、SaaS企業の成長の質を大きく左右する。 SaaS企業の売上成長は、新規顧客…
コントラクション収益は、既存顧客の契約縮小によって失われる売上のこと。解約まではしていなくても、下位プラン移行、利用量減少、座席数削減、機能削除によってARRやMRRが減る状態を指す。 SaaSでは「顧客数が維持されてい…
Net New ARRは、一定期間にどれだけARRが純増したかを示すSaaS指標。新規顧客、既存顧客の拡張、縮小、解約をまとめて、継続収益の増減を1つの数字で見る。 ARRは年間経常収益の規模を表すが、Net New A…
広告