RPO(残存履行義務)

企業分析

よみ:あーるぴーおー

「RPO(残存履行義務)」とは

一言でいうと

RPOは、契約済みだがまだ売上として認識されていない将来収益のこと。繰延収益に加えて、まだ請求していない非解約契約分も含むため、SaaSやクラウド企業の将来売上パイプラインを見る指標として使われる。

詳しい仕組み・意味

RPOはRemaining Performance Obligationの略で、顧客との契約で企業がこれから提供するサービスに対応する未認識収益を表す。すでに請求済みで繰延収益になっている金額だけでなく、契約上は将来請求される予定の金額も含む場合がある。

SaaS企業では、複数年契約や大型エンタープライズ契約が増えるとRPOが大きくなりやすい。売上高は過去に提供したサービスの結果だが、RPOは契約済みの将来売上を示すため、受注残に近い性格を持つ。

具体例・注意点

3年契約で総額3億円のクラウド契約を結び、初年度分だけ請求済みの場合、未認識の契約価値がRPOに含まれる。繰延収益は請求済み前受分が中心だが、RPOは未請求コミット分まで含むため、より広い将来収益の見方になる。

ただし、RPOは企業間で比較しにくい。契約期間が長い会社ほど大きく見え、利用量課金や月次解約型モデルでは小さく出やすい。更新率、契約期間、キャンセル条項、cRPOの伸びを合わせて読む必要がある。

投資判断での使い方

RPOは、売上成長の先行指標として使える。RPO成長率が売上成長率を上回るなら将来売上の積み上がりが強い可能性がある。一方、RPOが伸びてもcRPOが弱ければ、短期売上への転換は遅いかもしれない。

📐 計算式・数値の目安

RPO = 未認識契約収益(請求済み繰延収益 + 未請求コミット分)

📌 投資判断のポイント

RPOは契約済みだが未認識の将来収益。繰延収益より広く、未請求コミット分も含むため、SaaS企業の売上見通しを見る材料になる。

🏷 関連タグ

RPO 残存履行義務 Remaining Performance Obligation SaaS クラウド企業 将来売上 受注残

関連用語

売上高(Revenue)

企業が商品やサービスを売って得た「売上の総額」。 revenueとは、企業が事業活動によって得た収入の合計、いわゆる「売上高」を指す。企業の活動の出発点となる最も基本的な指標であり、ビジネスの規模を示す数字でもある。 例…

会社予想(ガイダンス)

企業自身が示す、今後の売上・利益・配当などの見通し。 会社予想、またはガイダンスは、企業が投資家に向けて公表する将来業績の見通しだ。売上高、営業利益、純利益、EPS、配当予想などが含まれる。 業績修正が「すでに出した予想…

ARR(年間経常収益)

ARRは、SaaSやサブスク企業が毎年どれだけの継続収益を見込めるかを示す指標。単発売上ではなく、契約が続く前提の年間売上を表すため、成長の土台を読むうえで重要である。 ARRはAnnual Recurring Reve…

繰延収益(Deferred Revenue)

繰延収益は、企業が先に代金を受け取ったものの、まだ売上として認識していない金額のこと。SaaSやサブスク企業では年額契約を前払いで受けることが多く、将来売上の一部を示す重要な負債項目になる。 会計上、売上は現金を受け取っ…

cRPO(今後12か月RPO)

cRPOは、RPOのうち今後12か月以内に売上として認識される見込みの金額。長期契約を含む総RPOより短期売上との関係が強く、クラウド企業の翌年成長を読むうえで重視される。 RPOには数年先に認識される契約価値も含まれる…

計算上の請求額(Calculated Billings)

計算上の請求額は、SaaS企業が一定期間にどれだけ顧客へ請求したかを、売上高と繰延収益の増減から推計する指標。売上より早く契約・請求の勢いを反映するため、成長の先行指標として使われる。 SaaSでは、顧客に年額料金を先に…

ブッキング(Bookings)

ブッキングは、一定期間に新たに締結された契約額や受注額を示す指標。SaaSやエンタープライズソフトウェアでは、売上になる前の契約獲得力を見るために使われる。 売上高はサービス提供に応じて認識されるが、ブッキングは契約が成…

広告

講座を見る → 無料ガイドを受け取る