「LTV/CAC倍率」とは
一言でいうと
LTV/CAC倍率は、顧客から得られる生涯価値が、顧客獲得コストの何倍あるかを示す指標。SaaSやサブスク企業のユニットエコノミクスを見る代表的な比率である。
詳しい仕組み・意味
LTVは顧客が契約期間全体で生む価値、CACは1顧客を獲得するためにかかった営業・マーケティング費用を指す。LTV/CAC倍率が高いほど、獲得した顧客から回収できる価値が獲得費用を大きく上回ると考えられる。
実務では、LTVを売上ベースで見るのか、粗利益ベースで見るのかが重要である。SaaS企業の分析では、粗利率を反映したLTVを使う方が保守的で、実際の利益貢献に近い。CACも広告費だけでなく、営業人員、ツール、代理店手数料、オンボーディング費用を含めるかで数字が変わる。
具体例・注意点
LTVが60万円、CACが20万円ならLTV/CAC倍率は3倍である。一般的には3倍前後が健全性の目安として語られることが多いが、業界、成長段階、粗利率、回収期間によって解釈は変わる。
注意点は、高すぎる倍率も必ずしも良いとは限らないこと。5倍、6倍と高い場合、獲得投資を抑えすぎて成長機会を逃している可能性もある。
また、短期の解約率から機械的にLTVを伸ばすと過大評価になりやすい。成熟していない顧客コホートでは、実績値と推定値を分けて見ることが大切である。
投資判断での使い方
LTV/CAC倍率は、成長投資が長期的に回収できるかを見る土台になる。CAC回収期間、チャーンレート、GRR、NRRと一緒に見ると、顧客獲得・維持・拡張のどこに強みや弱みがあるかを判断しやすい。
📐 計算式・数値の目安
LTV/CAC倍率 = LTV ÷ CAC
📌 投資判断のポイント
LTV/CAC倍率は顧客価値と獲得コストのバランスを見る指標。粗利ベースLTVとCACの定義をそろえることが重要。
🏷 関連タグ
関連用語
売上から直接コストを引いた「最初の利益」。 gross-profit(売上総利益)は、企業が商品やサービスを販売して得た売上(revenue)から、原価(cost of goods sold)を差し引いた利益を指す。 計…
CAC回収期間は、顧客獲得に使った営業・広告コストを、顧客から得る粗利益で何ヶ月かけて回収できるかを示す指標。SaaS企業の成長投資が効率的かどうかを見るうえで重要である。 CACはCustomer Acquisitio…
GRRは、既存顧客からの売上が解約や縮小によってどれだけ残ったかを見る指標。アップセルや値上げによる増加分を含めないため、既存売上の守りの強さを測りやすい。 GRRはGross Revenue Retentionの略で、…
広告