2025年7月2日、水曜日のマーケット情報をお届けします。昨日の7月1日火曜日のマーケットは、米中貿易協議の進展を受けドル安が進行しました。ドル指数は3年ぶりの低水準を記録し、欧州への資金流入が加速していることが顕著となっています。一方で、米国株式市場は好調で、S&P500とNASDAQは過去最高値を更新。これは、FRBの利下げ観測に加え、銀行セクターのストレス・テストクリアが好感されたためです。しかし、大型減税法案による財政赤字拡大懸念もくすぶっており、今後の動向に注意が必要です。日本市場では、日経平均株価が5日続伸と好調を維持。半導体関連株が上昇を牽引しました。ただし、午後はドル安・円高の影響で上昇幅を縮小しました。
ドル安進行!3年ぶり低水準で欧州市場に資金流入
米中貿易協議の進展は市場に安心感を与え、ドル売りを誘発しました。ドル指数は3年ぶりの低水準となり、ユーロやポンドなどの主要通貨に対してドル安が進行しています。このドル安傾向は、米国からの資金流出を加速させ、欧州市場への資金流入を促していると考えられます。一方で、ドル安は米国の輸出企業にとっては追い風となる可能性がありますが、輸入物価上昇によるインフレリスクも高まる可能性があります。今後のドル動向は、7月の雇用統計やPCE、パウエル議長の議会証言などで大きく変化する可能性があるため、引き続き注視が必要です。
米国株、最高値更新も減税法案の財政赤字懸念
S&P500とNASDAQが過去最高値を更新しました。FRBの利下げ観測が強まっていること、銀行セクターがストレス・テストをクリアしたことが好感されています。ウォール街の戦略家は景気後退リスクは小さいと予想していますが、大型減税法案「One Big Beautiful Bill」は、今後10年で巨額の財政赤字を招く可能性があり、米国債の魅力低下懸念につながっています。市場の楽観ムードに水を差す可能性があるため、注意が必要です。
日経平均5日続伸!半導体関連株がけん引
日経平均株価は5日連続で上昇し、一時700円を超える上昇を見せました。ソフトバンクグループやアドバンテストなどの半導体関連株が市場をけん引しました。これは、世界的な半導体需要の高まりが背景にあります。しかし、午後はドル安・円高の動きで上昇幅は縮小しました。7月の経済指標発表の内容次第では、今後の市場の方向性が大きく変わる可能性があります。
EU、米国との貿易交渉で関税引き下げ要求
EUは米国との貿易交渉で、主要分野の米国市場開放を目指し関税引き下げを求めています。米国による相互関税の一律10%賦課は基本的に受け入れる方針ですが、自動車や鉄鋼・アルミニウムへの追加関税については低関税枠の設定や免除措置を要求しています。7月9日に関税引き上げの猶予期限が迫っており、交渉の行方が注目されます。交渉決裂となれば、世界経済に大きな悪影響を与える可能性があります。
中国経済、製造業PMIは低迷もサービス業は堅調
中国の製造業PMIは49.7と低迷している一方で、サービス業PMIは50.5と堅調な推移を見せています。米中貿易摩擦の影響が製造業に大きく出ている一方で、中国国内の消費は堅調さを維持していることが示唆されます。今後の中国経済の動向は、米中貿易交渉の進展と世界経済の動向に大きく左右されるでしょう。