マーケットニュース

2025年8月2日、世界の金融市場はFOMC通過後の余波に揺れています。今週の市場を振り返りつつ、今後の投資戦略に役立つ最新ニュースをお届けします。

マーケット概況(2025年8月1日)

7月最終週の金融市場は、FOMCと日銀会合という二大中央銀行イベントを通過し、大きな変動を見せました。米国市場では、FOMCが市場の期待していた9月の利下げを明確に示唆しなかったことから、ダウ平均株価は週後半にかけて軟調に推移しました。一方、日銀会合では現状維持が決定されたものの、日米の金融政策の方向性の違いが鮮明になり、為替市場ではドル高・円安が加速しました。ドル円相場は一時150円に迫る円安水準となり、日米金利差拡大への警戒感が一段と高まっています。日経平均株価は、週初は堅調だったものの、米国市場の下落と円安の過熱感から、週末にかけては利益確定売りに押されました。中国市場は、発表された経済指標の悪化と、期待外れの経済対策を受けて大幅に下落し、世界経済の重石となっています。

FOMCで9月利下げ示唆なし!市場の期待裏切られ波乱

今週最大の注目イベントであったFOMC(連邦公開市場委員会)は、政策金利を5会合連続で据え置くことを決定しました。これは市場の予想通りでしたが、注目されたパウエル議長の記者会見では、市場が期待していた9月会合での利下げを明確に示唆する発言はありませんでした。パウエル議長はあくまでインフレ抑制を最優先する姿勢を崩さず、今後の利下げは経済指標次第であると強調しました。これを受け、市場の楽観的な利下げ観測は後退し、米国株は下落、長期金利は上昇し、ドルが買われる展開となりました。今回のFOMCは、早期の金融緩和を期待する市場と、慎重な姿勢を崩さないFRBとの間の認識のズレを浮き彫りにしたと言えるでしょう。

中国経済、内需低迷で暗雲!?PMI悪化で株価急落

中国で発表された7月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回り、景気減速への懸念が改めて強まりました。長引く不動産市場の低迷に加え、個人消費など内需の弱さが数字で示された形となり、中国経済の先行き不透明感が増しています。これを受けて中国本土および香港の株式市場は大幅に下落しました。市場が期待していた中国政府による大規模な景気刺激策も、その内容が小規模にとどまったことで失望売りを誘いました。世界第2位の経済大国の失速は、世界経済全体に大きな影響を与えるため、今後の動向を注視する必要があります。

日銀、現状維持決定も円安進行で難しい舵取り

日銀は金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の現状維持を決定しました。しかし、その直後のFOMCで米国の利下げ期待が後退したことを受け、日米の金利差がさらに拡大するとの思惑から、為替市場では円売り・ドル買いが加速しました。日米金利差拡大による円安は、ガソリンや食料品などの輸入物価を押し上げ、国内のインフレをさらに加速させる可能性があります。物価高を抑制したいものの、利上げは景気を冷やしかねないという状況の中、日銀は非常に難しい政策運営を迫られています。

ドル円150円突破目前!今後の見通しは?

ドル円相場は、心理的な節目である150円の大台突破が目前に迫っています。日米の金融政策の方向性の違いが明確になったことで、金利差を意識した円売り・ドル買いの流れが一段と強まっています。また、中国経済の減速懸念などから、相対的に安全とされるドルに資金が向かう「リスク回避のドル買い」も相場を押し上げる要因となっています。今後、150円を突破した場合は政府・日銀による為替介入への警戒感から一時的な調整が入る可能性もありますが、日米の金利差という根本的な要因が変わらない限り、中長期的にはドル高・円安基調が継続すると予想されます。

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