マーケットニュース

マーケット概況(2025年7月11日)

7月11日金曜日の米国株式市場は、主要な経済指標の悪化と長期金利の上昇を受け、主要3指数そろって下落しました。ダウ平均株価は前日比279.13ドル安の44,371.51ドル、S&P500種株価指数は45.75ポイント安の6,128.50、ハイテク株中心のナスダック総合指数は238.64ポイント安の19,845.12で取引を終えました。この日は、取引開始前に発表された大手銀行の決算や、取引時間中に発表された消費者信頼感指数が市場のムードを決定づけました。金利は、インフレへの根強い警戒感から米10年債利回りが4.43%台まで上昇し、特にハイテク・グロース株の重荷となりました。為替市場では、日米金利差を背景に円安ドル高が進行し、ドル円は1ドル=147円台前半で推移しました。

米消費者マインド、予想外に悪化!インフレ懸念が再燃

7月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が市場予想を大幅に下回り、景気の先行き懸念を強める結果となりました。消費者の景況感が悪化したことに加え、1年先の期待インフレ率が再び上昇したことが明らかになり、市場に冷や水を浴びせました。個人消費は米国経済の約7割を占めるため、消費者マインドの悪化は将来的な消費の減速を示唆します。これにより、企業業績への懸念が広がり、投資家がリスク回避姿勢を強める一因となりました。

大手銀行決算、強弱入り混じる内容に市場は慎重姿勢

JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴなど、米大手金融機関の第2四半期決算が発表され、本格的な決算シーズンが始まりました。内容は高金利の恩恵を受けた純金利収入の増加が見られた一方で、将来の貸し倒れに備える引当金の積み増しや、融資需要の鈍化への懸念が示されるなど、強弱入り混じるものとなりました。市場は、今後の景気減速リスクを織り込んだ銀行の慎重な見通しを重く受け止め、金融セクターの株価は伸び悩みました。今後の決算発表シーズン全体の動向を占う上で、市場はより慎重な姿勢を強めています。

FRB高官発言で金利上昇、株式市場の重石に

この日、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は講演で、インフレ抑制の闘いはまだ終わっていないとし、金融引き締めを維持する必要性を改めて強調しました。こうした連邦準備理事会(FRB)高官によるインフレへの警戒発言が相次いだことで、市場では早期利下げ観測がさらに後退しました。この発言を受けて米長期金利が上昇し、これが株式の相対的な魅力を低下させ、特に金利上昇に弱いハイテク株やグロース株の下落圧力となりました。今後の金融政策の方向性を見極めたいとの思惑から、積極的な買いは手控えられました。

免責事項

本記事で提供される情報は、公開情報に基づいて作成されており、その正確性や完全性を保証するものではありません。記載された見解は、記事作成時点での筆者のものであり、将来予告なく変更されることがあります。

また、本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。個別銘柄についての言及は、あくまでテーマの解説を目的とした例示です。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任と判断において行っていただきますようお願い申し上げます。

おすすめの記事