人生の円熟期を迎え、ますます輝きを増す「アクティブ世代」の皆様、こんにちは。ライフプラン・コンサルタントの佐藤と申します。これまでのご経験を胸に、これからの人生をどうデザインしようかと心を弾ませる一方で、「そろそろ、資産の引き継ぎについても考えないとな…」と、ふと心に浮かぶことはありませんか?「相続」や「贈与」と聞くと、なんだか難しくて縁遠い話のように感じられるかもしれません。でも、これはお金持ちだけの話ではないのです。ご自身が懸命に築いてこられた大切な資産と、ご家族への深い愛情を、円満な形で未来へ繋いでいくための、とても大切な準備です。この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、2026年に向けて変わりつつあるルールも踏まえながら、皆様が今からできる具体的な第一歩を、心を込めてご案内させていただきます。ご安心ください、一緒にゆっくりと紐解いていきましょう。
相続・贈与とは?- 私たちの人生にどう関係するの?
まず、「相続」とは、ご自身が旅立たれた後に、ご家族などが財産(預貯金、不動産、有価証券など)を引き継ぐことです。一方で「贈与」は、ご自身がご健在なうちに、誰かに財産を無償で譲ることを指します。どちらも、大切な方へ資産と思いを引き継ぐための方法です。では、なぜ今のうちから準備が必要なのでしょうか。それは、残念ながら、準備が不十分だったためにご家族の間で意見が食い違い、関係がこじれてしまう「争族」と呼ばれるケースが少なくないからです。誰が何を引き継ぐのか、ご自身の想いはどうだったのか。それが分からないままだと、残されたご家族は大きな不安と戸惑いを抱えてしまいます。相続の準備は、決して縁起の悪い話ではありません。むしろ、ご家族への感謝と愛情を伝える「最後のラブレター」のようなもの。ご自身の想いを形にしておくことで、ご家族は安心して前を向くことができるのです。
なぜ今考えるべき?- 知っておきたい3つの理由
「まだ先のこと」と思わず、今このタイミングで考え始めることには、大きな意味があります。特に、ここ数年で制度が大きく変わりつつあるからです。
理由1:変わりゆく不動産の評価ルール
特に都市部のマンションなどをお持ちの方は注意が必要です。これまで、相続税を計算する際の不動産の評価額は、実際の取引価格より低く抑えられる傾向があり、それが節税策として活用される側面がありました。しかし、この評価方法の公平性を保つため、2026年に向けて、実際の価値に近い評価額になるような見直しが進められています。つまり、これまでの常識が通用しなくなる可能性があるのです。ルールが変わる前に、ご自身の資産全体の状況を正しく把握し、将来の税負担がどうなるのかを見通しておくことが、賢明な判断に繋がります。
理由2:生前贈与は「早く始める」が有利に
生きているうちに少しずつ資産を渡していく「生前贈与」。実はこのルールも2024年から変わりました。これまでは亡くなる前「3年以内」の贈与は相続財産に加算されていましたが、その期間が段階的に「7年以内」へと延長されています。これは、国が「もっと早くから計画的に資産の承継を進めてほしい」と促しているサインとも言えます。時間を味方につけ、計画的に進めることの重要性が、ますます高まっているのです。
理由3:ご自身の元気な「意思」を伝えるために
何よりも大切なのが、ご自身の明確な意思をご家族に伝えておくことです。残念ながら、年齢を重ねると、誰もがご自身の判断能力に不安を感じる時が来るかもしれません。心身ともに充実している今だからこそ、ご自身の財産を「誰に」「何を」「どのように」遺したいのかをじっくり考え、遺言書などの形で残しておくことができます。これは、残されたご家族が手続きで迷ったり、無用な争いをしたりすることを防ぐ、最大の思いやりと言えるでしょう。
まずはここから!ケース別・やることリスト
「何から手をつければ…」と迷ったら、まずはこのリストから試してみてください。
【はじめの一歩編】すべての方へ
□ ステップ1:想いを書き出してみる
市販の「エンディングノート」などを活用し、財産のことだけでなく、ご家族へのメッセージやこれからの人生でやりたいことなどを自由に書き出してみましょう。頭の中が整理され、ご自身の本当の気持ちが見えてきます。
□ ステップ2:資産の見える化
預貯金、不動産、株式、生命保険など、ご自身の資産が「どこに」「どれくらい」あるのかを一覧にしてみましょう。通帳や権利証、保険証券などをまとめておくだけでも、いざという時にご家族の負担を大きく減らせます。
□ ステップ3:家族と話す「きっかけ」作り
いきなり「相続の話を…」と切り出すのは難しいかもしれません。「この間、こんな記事を読んだんだけど…」と、この記事をきっかけにご自身の想いを伝えてみるのはいかがでしょうか。大切なのは、穏やかな雰囲気で対話を始めることです。
【不動産をお持ちの方】
□ ステップ1:評価額の確認
毎年送られてくる「固定資産税納税通知書」を見て、ご自宅の評価額を確認してみましょう。これが一つの目安になります。
□ ステップ2:引き継ぎ方を考える
この家を誰に引き継いでほしいか、将来的に売却するのか、住み続けてほしいのか。ご自身の希望を考えてみましょう。
専門家はどこにいる?- 頼れる相談窓口と選び方
ご自身で情報を集めることも大切ですが、一人で抱え込む必要はまったくありません。資産の引き継ぎは、法律や税金が複雑に絡み合うため、専門家の知恵を借りるのが一番の近道です。では、誰に相談すれば良いのでしょうか?
- 全体的なお金の相談、何から始めるか迷ったら → ファイナンシャル・プランナー(FP)
皆様の人生設計に寄り添い、資産承継を含めたお金全体のプランニングを手伝ってくれます。 - 具体的な税金の計算や申告について → 税理士
相続税がどれくらいかかるのか、最も良い贈与の方法は何かなど、税のプロとして的確な助言をくれます。 - 遺言書の作成や法的な手続きで揉め事を避けたい → 弁護士、司法書士
法的に有効な遺言書の作成や、不動産の名義変更(登記)など、法律の専門家として手続きをサポートしてくれます。
相談先を選ぶ際は、「相続案件の経験が豊富か」「親身に話を聞いてくれるか」「料金体系が明確か」といった点を確認しましょう。お住まいの市区町村が実施している無料相談や、取引のある金融機関の相談窓口を利用してみるのも良いでしょう。
まとめ:心豊かな未来を描くための第一歩
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。資産の承継について考えることは、これからの人生を、そして大切なご家族の未来を、より豊かにデザインするための大切なプロセスです。
- 相続の準備は、お金の問題だけでなく、ご家族へ「想い」を伝えるための大切なコミュニケーションです。
- 制度は常に変化しています。だからこそ、早めに情報を集め、計画的に準備を始めることが安心に繋がります。
- まずはご自身の資産と想いを「見える化」し、ご家族と話す小さなきっかけを作ってみましょう。
- 一人で悩まず、信頼できる専門家の力を借りることも、円満な解決への重要なステップです。
【今日からできる小さな一歩】
まずは、いつも使っている預金通帳や、加入している保険の証券がどこに保管してあるか、一か所にまとめてみませんか?そして、その場所をご家族の誰かに伝えておくだけで、それは未来への素晴らしい贈り物になります。その小さな一歩が、皆様とご家族の心豊かな未来へと繋がっていくはずです。私たちがいつでも、そのお手伝いをさせていただきます。
免責事項
本記事で提供される情報は、記事作成時点のものです。税制、年金、法律などの制度は将来変更される可能性がありますので、必ず公式サイトや専門家にご確認ください。
また、本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品、法律、税務上のアドバイスを行うものではありません。個別の状況に応じた最終的な決定は、税理士、弁護士、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家にご相談の上、ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

