資産運用・投資 用語解説

「よし、投資を始めよう!」と意気込んでみたものの、専門用語の多さに戸惑っていませんか?「成行注文で発注したら、想像よりずっと高い値段で株を買ってしまった…」「買った株がどんどん値下がりして、どうしていいか分からず結局大損…」そんな苦い経験は、実は多くの投資初心者が通る道です。

しかし、ご安心ください。これらの失敗は、いくつかの基本的な用語を知らないだけで起こる、いわば「地図を持たずにドライブに出かける」ようなもの。これから解説する5つの必須用語は、あなたの投資ドライブにおける強力なカーナビになります。この記事を読めば、あなたは注文の仕組みを理解し、冷静な判断でリスクを管理し、着実に資産を育てるための「運転技術」を身につけることができるでしょう。もう二度と、意図しない取引で後悔することはありません。

まずは基本!株の取引はどうやって成立するの?

株式投資は、野菜や魚を買うのと同じように「買いたい人」と「売りたい人」がいて、お互いの希望価格と数量が一致したときに取引が成立します。この取引が成立することを「約定(やくじょう)」と言います。まずは、この取引を成立させるための2つの基本的な注文方法、「成行注文」と「指値注文」から見ていきましょう。

成行注文(なりゆきちゅうもん)とは? - 「今すぐ欲しい!」を叶えるスピード重視の注文

成行注文とは、一言でいうと「値段はいくらでもいいから、今すぐ売買したい!」という注文方法です。

【たとえ話:スーパーでの買い物】
スーパーのレジに商品をそのまま持っていくイメージです。「棚に表示されている値段でOKです!今すぐ買います!」という意思表示と同じ。とにかく早く取引を成立させたいときに使います。

【超図解】成行注文の仕組みをビジュアルで理解する

成行注文の流れは非常にシンプルです。

  • あなた:「A社の株を、今すぐ100株買いたいです!」(値段は指定しない)
  • 証券取引所:「かしこまりました!今、一番安く売ってくれる人の価格で取引を成立させますね!」
  • 取引成立(約定):その瞬間の市場価格で即座に売買が成立する。

メリット:とにかく取引が成立しやすい。買いたい時に買えない、売りたい時に売れないという事態を避けられます。
デメリット:価格を指定しないため、自分が予想していた価格と違う値段で約定してしまう可能性があります。これが次に解説する「スリッページ」の原因になります。

指値注文(さしねちゅうもん)とは? - 「この値段で!」を叶える計画的な注文

指値注文とは、「この値段になったら買いたい(売りたい)」と、自分で価格を指定する注文方法です。

【たとえ話:フリマアプリでの価格交渉】
フリマアプリで「この商品を5,000円で買いたいです」と希望価格を提示して、出品者がその値段でOKしてくれるのを待つ状態に似ています。希望の値段でなければ、取引は成立しません。

【超図解】指値注文の仕組みをビジュアルで理解する

指値注文は、あなたの希望が叶うのを待つスタイルです。

  • あなた:「A社の株を、1株1,000円になったら100株買いたいです!」(価格を指定)
  • 証券取引所:「かしこまりました!A社の株価が1,000円以下になったら、注文を執行します!」
  • 株価が1,000円に到達:取引成立(約定)!
  • 株価が1,000円に届かない:取引は成立しない(失効)。

メリット:自分の計画通りの価格で売買できるため、想定外の損失を防ぎやすいです。高値掴みや安値売りを避けられます。
デメリット:指定した価格にならない限り、いつまでも約定しない可能性があります。その結果、売買のチャンスを逃してしまうこともあります。

【超図解】注文の「成立」と「ズレ」を理解する|約定とスリッページ

約定(やくじょう)- 取引成立のハンコ

約定とは、あなたの出した買い注文または売り注文が、取引相手を見つけて成立することです。まさに、契約書にハンコが押された瞬間です。この「約定」があって初めて、あなたの手元に株が入ったり、株を売って現金化されたりします。

スリッページ - 注文価格と成立価格の「ズレ」

スリッページとは、注文した時の価格と、実際に約定した価格との間に生じる差(ズレ)のことです。

【たとえ話:人気の限定パン屋さん】
1個100円の限定パンを買おうとレジに並んだら、あまりの人気で店員さんが「すみません、今から1個105円になります!」と値段を変更。結局あなたは105円で買うことになりました。この差額の「5円」がスリッページです。

特に、取引が活発な銘柄や、市場が急変動している時に成行注文を出すと、このスリッページが発生しやすくなります。意図しない価格での取引を防ぐには、指値注文が有効です。

損切り(そんぎり)とは? - 資産を守るための最重要スキル

損切りとは、購入した株の価格が下落した際に、「これ以上の損失拡大を防ぐため」に、損失を確定させて売却することです。多くの初心者が「いつか上がるはず…」と期待してしまい、実行できずに塩漬け株(含み損を抱えたまま動かせない株)にしてしまう原因です。

【たとえ話:トカゲのしっぽ切り】
トカゲが敵に襲われたとき、自ら尻尾を切り離して逃げます。尻尾は失いますが、本体の命は助かります。損切りもこれと同じで、投資資金の一部(尻尾)を失うことで、残りの大部分の資産(本体)を守り、次のチャンスに備えるための非常に重要な戦略なのです。

【超図解】損切りの重要性をビジュアルで理解する

損失が大きくなるほど、元の価格に戻すのがいかに大変かが分かります。

  • 10万円が9万円に(-10%の損失)
    • → 元の10万円に戻すには、約+11%の上昇が必要。
  • 10万円が5万円に(-50%の損失)
    • → 元の10万円に戻すには、なんと+100%(株価が2倍)の上昇が必要!

損失が小さいうちに「損切り」することで、少ない力で再起を図ることができます。「-10%になったら売る」など、自分なりのルールを事前に決めておくことが、感情に流されないためのコツです。

【実践シミュレーション】もし基本用語を理解して、計画的に取引をしたら?

これらの基本用語を理解し、「大きな失敗を避けて着実に運用する」ことができれば、資産はどのように育っていくでしょうか。ここでは、毎月3万円を年利5%で運用できた場合のシミュレーションを見てみましょう。(※手数料・税金は考慮せず)

1年後: 元本36万円 → 資産約36.8万円

5年後: 元本180万円 → 資産約204.3万円

10年後: 元本360万円 → 資産約465.7万円

損切りで大損を防ぎ、指値注文で計画的に取引することで、このような着実な資産形成が現実味を帯びてきます。

まとめ:今日から覚えるべき最重要ポイント

最後に、この記事で学んだ最重要ポイントを3つにまとめました。これだけは必ず覚えて、あなたの投資に活かしてください。

  1. 注文は「スピードの成行」「価格の指値」を使い分ける!
    すぐに取引したいなら成行、価格にこだわりたいなら指値。状況に応じて最適な注文方法を選びましょう。
  2. 「約定」して初めて取引完了!「スリッページ」に注意!
    注文が成立することを「約定」と呼びます。特に成行注文では、注文価格と約定価格がズレる「スリッページ」が起こりうることを覚えておきましょう。
  3. 資産を守る最大の武器は「損切り」!
    感情に流されず、損失が小さいうちに損切りすることが、長く投資を続けるための秘訣です。「損小利大(そんしょうりだい)」を常に心掛けましょう。

免責事項

本記事で提供される情報は、教育および情報提供を目的としたものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。記載された内容は、記事作成時点での情報に基づいています。

また、本記事は特定の金融商品の購入や売却を推奨、勧誘するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

おすすめの記事