「人生100年時代」という言葉を耳にする機会も増え、「これから先の人生、どう過ごそうか」と、ふと立ち止まって考える時間が増えた方も多いのではないでしょうか。お仕事や子育てが一段落し、ご自身の時間に目を向けられるようになった今、期待とともに、住まいのこと、健康やお金のこと、そして大切なご家族のことなど、漠然とした不安を感じることもあるかもしれませんね。
でも、ご安心ください。これからの人生を、もっと身軽に、もっと豊かに楽しむための準備は、いつからでも始められます。この記事では、私たちライフプラン・コンサルタントが、多くのアクティブ世代の皆様からご相談いただくテーマの中から、特に大切な5つのポイントを厳選しました。2025年の最新情報も交えながら、皆様が今日から踏み出せる具体的な一歩を、心を込めてご案内します。一緒に、輝く未来の地図を描いていきましょう。
1. 住まいのダウンサイジングで、資産と心にゆとりを
お子様が独立され、ご夫婦二人暮らしになると、今まで当たり前だった広い家が少し手持ち無沙汰に感じられることはありませんか。住まいのダウンサイジングは、単に小さな家に引っ越すことだけではありません。それは、これからの人生をより豊かにするための「資産」を生み出す大きなチャンスなのです。
例えば、家を整理・売却して得た資金で、憧れていた海外旅行に出かけたり、新しい趣味や学びを始めたり、あるいは将来の生活への備えとして、ゆとりある資金計画を立てることも可能です。何より、管理の手間が減り、物が少なくなることで、心まで軽やかになるというお声も多く伺います。「物」の管理から解放され、「時間」と「心」の豊かさを手に入れる。それがダウンサイジングの本当の価値かもしれません。
2. これからの暮らしを彩る、新しい住まいの選択肢
住まい選びは、これからの人生の質を大きく左右します。最近では、アクティブ世代の皆様の多様なニーズに応える、様々な住まいの形が登場しています。
例えば、段差がなく手すりが設置されたバリアフリーのマンションはもちろん、コンシェルジュが常駐し、日々の生活をサポートしてくれる「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」も人気です。また、同じ趣味や価値観を持つ仲間が集い、共同のリビングスペースなどを持ちながら、互いに支え合って暮らす「コレクティブハウス」という選択肢も注目されています。大切なのは、ご自身がどんな暮らしをしたいか、どんな人との繋がりを大切にしたいかを考えること。地域コミュニティへの参加しやすさなども考慮しながら、心から安心できる「終の棲家」を見つけましょう。
3. 「争族」は他人事ではない!円満な相続・贈与のための新ルール解説
大切なご家族だからこそ、財産のことで心を痛めてほしくない。そう願うのは、誰もが同じです。しかし、残念ながら、相続がきっかけで家族関係がこじれてしまう「争族」は、決して他人事ではありません。そうならないためには、早めの準備と、最新のルールを理解しておくことが不可欠です。
特に注意したいのが、2024年から始まった相続・贈与のルール変更です。これまでは亡くなる前3年以内の贈与が相続財産に加算されていましたが、2025年1月1日以降の贈与には、相続開始前7年以内の贈与が相続財産に加算されるルールが適用されます。ただし、延長された4年間(相続開始前4年目から7年目まで)の贈与については、その期間の贈与額から総額100万円までが控除されるという仕組みもあります。また、近年ではSNSアカウントやネット銀行の口座といった「デジタル遺産」の整理も重要になっています。ご自身の想いを記した遺言書の作成と合わせ、専門家のアドバイスを受けながら、ご家族への想いを形にしておきましょう。
まずはここから!未来を描くための3ステップ・やることリスト
□ ステップ1:ご自身の「想い」を書き出してみる
どんな暮らしがしたいか、誰に何を遺したいか、まずはノートにご自身の気持ちを自由に書き出してみましょう。これが全ての土台になります。
□ ステップ2:資産の「見える化」をする
預貯金、不動産、保険、有価証券などを一覧にしてみましょう。財産全体を把握することが、具体的な計画の第一歩です。
□ ステップ3:ご家族と「話す時間」をつくる
「いきなりお金の話は…」とためらわれるかもしれません。まずは「これから、どんな風に楽しく暮らしていきたいか」という想いを伝えることから始めてみませんか。
4. 人生100年時代、健康寿命を延ばす賢い備え
これからの人生を心ゆくまで楽しむためには、何よりも「健康」が大切です。平均寿命だけでなく、自立して生活できる期間を示す「健康寿命」をいかに延ばしていくか。これは、輝く世代の皆様にとって大きなテーマです。
日々のウォーキングやバランスの取れた食事、趣味のサークル活動などは、心と体の健康を保つための素晴らしい「投資」です。そして、健康維持は、将来の医療費や介護費を抑える最も賢い備えでもあります。もちろん、万が一の時に備えて、公的な医療保険や介護保険でどこまでカバーされるのかを確認し、不足分を補うための民間保険や貯蓄を計画的に準備しておくことも、心の安心につながります。
5. セカンドライフを輝かせる「アクティブな生き方」とお金の準備
これからの時間は、単なる休息期間ではありません。これまで培ってきた経験や知識を活かして、新しいことに挑戦したり、社会とのつながりを深めたりする絶好の機会です。
例えば、興味のあった分野を学び直す「リスキリング」、地域のボランティア活動への参加、あるいはご自身の趣味を活かした小さなビジネスを始めるなど、生き方は無限に広がっています。大切なのは、そうした「やってみたいこと」を実現するために、どれくらいの資金が必要になるかを具体的に計画しておくことです。ご自身の年金収入や資産状況を把握し、無理のない範囲で夢を実現するための資金計画を立てることで、セカンドライフはさらに輝きを増すでしょう。
頼れる専門家はどこにいる?上手な相談先の見つけ方
ライフプランについて考え始めると、税金や法律など、専門的な知識が必要になる場面が出てきます。そんな時は、一人で悩まず、専門家の知恵を借りることが解決への近道です。
お金全般の相談なら「ファイナンシャル・プランナー(FP)」、相続税や贈与税の具体的な手続きなら「税理士」、遺言書の作成や家族間の調整が難しい場合は「弁護士」や「司法書士」が力になってくれます。また、お住まいの市区町村にある「地域包括支援センター」では、介護や日々の暮らしに関する相談に無料で応じてくれます。初回相談が無料の専門家も多いので、まずは気軽に問い合わせて、ご自身と相性の良い、信頼できるパートナーを見つけることが大切です。
まとめ:心豊かな未来を描くための第一歩
今回は、アクティブ世代の皆様が軽やかな人生を送るための5つのヒントをお届けしました。
- 住まいを見直し、資産と心にゆとりを持つ。
- 円満な相続のため、最新ルールを理解し早めに準備する。
- 健康への投資が、将来の安心につながる最大の備え。
- 「やりたいこと」を軸に、アクティブな人生とお金の計画を立てる。
たくさんの情報があって、何から手をつけていいか分からないと感じるかもしれません。でも、大切なのは、完璧を目指すことではなく、まずは一歩を踏み出してみることです。
今日できる小さな一歩として、例えば「エンディングノートを1ページだけ書いてみる」「近所のコミュニティセンターのチラシを眺めてみる」など、ほんの少しの行動から始めてみませんか。その小さな一歩が、必ずあなたの輝く未来へと繋がっています。私たちは、いつでも皆様の伴走者として、心に寄り添いながらサポートさせていただきます。
免責事項
本記事で提供される情報は、記事作成時点のものです。税制、年金、法律などの制度は将来変更される可能性がありますので、必ず公式サイトや専門家にご確認ください。
また、本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品、法律、税務上のアドバイスを行うものではありません。個別の状況に応じた最終的な決定は、税理士、弁護士、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家にご相談の上、ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。